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2024.10.15
知財ニュース
日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2024」まもなく開催―過去最大規模の96会場に集結
デザインとアートを横断し、モノやコトの新たな価値を発信、共有する日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2024(デザイナート トーキョー)」が10月18日〜10月27日まで東京の各地で開催される。
2024年度のメインテーマは「Reframing ~転換のはじまり~」。固定概念や既存の思考に対して、新たな転換をもたらす価値を提供する117のプレゼンテーションが展開される。
そのなかでも、知財図鑑編集部が注目する展示をいくつかご紹介。見えない力が多様に働く環境世界を考えさせる展示や、時計や家具などの人工物を従来の視点とは違った角度から見ることで、新たな価値を創造していくプロダクトを紹介していく。
AAAQ「Visible Stress」
会場:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ガレリア 2F Aēsop前
Photo Image : © AAAQ
Photo Image : © AAAQ
プロダクトデザイナー/プロデューサーの都淳朗、UIデザイナーの太田壮によるクリエイティブ・ユニット「AAAQ」による展示。AAAQ(エーキュー)は“Answer(答え)を作って作って作って、新しいQuestion(問い)を生む“という理念のもと、2021年に発足された。
今回展示される「Visible Stress」は、外力に対して物体が内部から抵抗する力である「応力」を、「光弾性」という複数の光が屈折する光の性質を用いて、鮮やかに可視化した作品。人間の目に見えない力を、光という媒体で表現することで、可視化されていないさまざまな美しい力や、我々が生きている環境との関係性を想像させ、新たに再考するきっかけを与えてくれる。
Photo : © AAAQ
Photo : © AAAQ
展示詳細はこちら
AAAQ 公式サイト
制作協力:株式会社ラヤマパック
130 (ワンサーティ) 「The First 130 / Furnitures in Space」
会場:東京都中央区銀座4-4-2 ISSEY MIYAKE GINZA / 442
Photo Image : © 130
Photo Image : © 130
再生可能な棒状の素材を組み合わせることで、革新的な立体造形技術を展開していくブランド「130(ワンサーティ)」。今回は、130として初となる家具の展示を行い、テーブル、椅子、照明等の展示が行われる。
130の家具は、従来のデザインのように構造を装飾していくものではなく、縦横のシンプルなラインだけで構成されるものであるため、まるで空間を切り抜いたかのようなプリミティブな形態を提示する。シンプルなラインの素材は、自由なデザインを可能にし、使用後は分解・再素材化、再生成も可能であり、造形と解体の完全な循環を達成している。持続可能な未来へ向けて、デザインの可能性を切り拓いていく作品となるだろう。
SEIKO からくりの森「腕時計の動力と対峙したクリエーターの知恵と技のインスタレーション」
会場:渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 1F Seiko Seed
Photo Image : © SPLINE DESIGN HUB
日本を代表する時計メーカーSEIKOによる「からくりの森」は第3回目の開催となる。今回の展示は、「時を伝える」という時計の機能の先に、「美しさ」「賢さ」「面白さ」などの新しい魅力が宿っていることに焦点を当てたもの。
展示では、セイコーウオッチのデザイナーだけでなく、美術館の作品展示や商業施設などで幻想的な空間演出を生み出すクリエイターの小松宏誠、デザインとエンジニアリングを融合させて新たなクリエティブを生み出す集団SPLINE DESIGN HUB + siroが加わり、それぞれの専門領域から時計の機能の先に宿る新たな魅力を伝える。精密な機能を進化させ続けたSEIKOのからくりの世界が魅せる新たな可能性を体感してみたい。
乃村工藝社「Being 家具が居ること」
会場:東京都港区神宮前5-10-1 GYRE4F
Photo Image : ©乃村工藝社
人々の心が豊かになる空間づくりに取り組み、新たな空間の可能性を拓いてきた乃村工藝社。今回の展示は、単に物を「所有して使っている」という感覚ではなく、物と一緒に“居る”という感覚を呼び起こす「愛着のある存在」「一緒に居る」家具という感覚に焦点を当てている。
家具が“ある”から“居る”という存在に変わると、我々はどのように物と接するのか、人と物との関係性を問い直すプロジェクトになっている。不安的であったり、気まぐれな性質、気にかけたくなるような新たな魅力を持った家具に多くの人たちが魅了されるだろう。
Takram「Takramのプロダクトデザインとその裏側」
会場:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-56-3 B1F
Photo Image : © Takram
Photo Image : © Takram
さまざまな分野のチェンジメーカーと共に価値を生み出し、世界で活躍するデザイン・イノベーション・ファームのTakram。今回の展示では、数あるプロジェクトからプロダクトデザインに焦点を当て、実際の製品とともにそのデザインが出来上がるまでの裏側を公開する。プロジェクト当時の資料やプロトタイプ、高度な手法など、デザインプロセスを見ることのできる貴重な機会となる。展示期間中に、Takramのデザイナーとクライアント担当者とのトークイベントも開催予定。プロダクトデザイナー必見の展示だ。
これらの展示に留まらず、デザイン、アート、テクノロジー、インテリア、ファッションなどの多様な分野の表現が、世界屈指のミックスカルチャー都市・東京を舞台にボーダーレスに集結する。東京を街歩きをしながら各展示を見て回り、これからの未来を切り拓くデザイン&アートの力を体感してみてはどうだろうか。
DESIGNART TOKYO 2024 開催概要
テーマ:「Reframing ~転換のはじまり~」
会期:2024年10月18日(金)~10月27日(日)の10日間
エリア:表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・広尾・銀座・東京駅周辺
展示数:117 (96会場)
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
発起人:青木昭夫(MIRU DESIGN)/川上シュン(artless)/小池博史(NON-GRID)/永田宙郷(TIMELESS)/アストリッド・クライン(Klein Dythamarchitecture)/マーク・ダイサム(Klein Dythamarchitecture)
オフィシャルウェブサイト:https://designart.jp/designarttokyo2024/
Top Image : © 株式会社 デザイナート