News
2022.01.05
知財ニュース
米大学とGoogleの研究チーム、ビデオ会議におけるプロフィール写真の視線を可視化するツールを開発
米ニューヨーク大学と米メリーランド大学、米Googleの研究チームは、ビデオ会議でカメラオフの状態の時に表示するプロフィール写真を、ユーザーの視線に合わせて目の部分を動かしアニメーション化する技術「GazeChat」を開発した。
「GazeChat」は、登録したプロフィール写真からさまざまな視線の表現をするために合成された20枚の視線のバリエーション画像を使用し、PCのWebカメラを使って追跡したユーザーの視線に応じて、誰が誰を見ているかの視線移動をプロフィール写真上の視線のアニメーションでリアルタイムに反映するというもの。ユーザーの目の動きのリアリティーを追求するのではなく、誰を見ているのかの情報のみを明らかにすることを目的としている。
新型コロナウイルスの影響もあり、さまざまなコミュニケーションソフトウェアが普及し、急速にテレワークが浸透してきている昨今であるが、ビデオ会議などをする際、ネットワークの帯域幅が狭い場合やプライバシーを気にするなどの理由でカメラをオフにする場面が多く存在する。その場合、音声会議と同様に、ユーザーはお互いのプロフィール写真しか見れないために、臨場感に欠けるものになっていた。
そこで研究チームは、人はビデオ会議中に、聞いている相手のプロフィール写真を見る傾向があることに着目し、ユーザーの視線に合わせてプロフィール写真の目線をアニメーション化させる手法を提案した。カメラオフの状態でも、プロフィール写真の目の動きから誰が誰を見ているかを可視化することでコミュニケーションを図り、低帯域でのビデオ会議の不安定な接続問題も払拭しながら、プライバシー問題も解決しつつ、会議の臨場感を出せるようにした。
低コスト低帯域で実装が可能な他、被験者16人を対象にしたユーザー実験でも、通常のビデオ会議や音声会議の条件よりもアイコンタクトの感覚が優れていたことが確認されており、今後多くの場面での活用が期待される。
Top Image : © Zhenyi He, Keru Wang, Brandon Yushan Feng, Ruofei Du, and Ken Perlin