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2021.05.07

知財ニュース

ライゾマティクスが独自のプラットフォーム「CryptoArt-Experiment」(β版)をリリース─検証を通してクリプトアートの課題とビジョンを可視化

CryptoArt -Experiment

実験的なアートやプロジェクトを数多く制作するライゾマティクスが、CryptoArt(クリプトアート)を販売するオリジナルのプラットフォーム「CryptoArt -Experiment」のβ版をオープンした。

CryptoArtとは、NFT(代替不可能な暗号資産)によって、永続性/相互運用性/唯一性が保証されたデジタルアート作品のこと。昨年より、CryptoArtとその取引を支える様々なプラットフォームが世界中でムーブメントとなり、数十億円という高額な取引も行われている。

今回リリースされた「CryptoArt -Experiment」では、ライゾマティクスのデジタルアート作品を中心に、近年急速に注目を集めるNFTやCryptoArt、マーケットプレイスを、テストネットワークのETH(イーサリアム)でシュミレーションすることが可能に。今後はそれらを実際に売買することも視野に入れ、NFTとCryptoArtを取り巻く状況を分析して可視化し、その課題や今後のヴィジョンを問いかける取り組みを行っていくそうだ。

本プラットフォームはNFTのプロフェッショナル集団KyuzanがリリースしたNFTショップサービス「Mint(ミント)」を用いて開設。フロント実装をオンスクリーンからフィジカル空間までをデザイン・実装するflowplateauxが、バックエンドとブロックチェーンをKyuzanが担当し、企画全体をライゾマティクスが担当した。今後さらに整備・拡充されるMintの機能は、CryptoArt Experimentにも提供される。

mint

ライゾマティクスの真鍋大度氏によるステートメントは以下の通り。

CryptoArtは2020年新型コロナ禍に一気にトレンドとなり2021年キャズムを超え、暗号資産やブロックチェーンに詳しい一部の人たちだけのものではなくなりました。
また、広告主導ではない、非中央集権的な新しいエコシステムは、多くのアーティストに歓迎されました。
しかしPoW(プルーフ・オブ・ワーク)が引き起こす高い環境負荷や暗号通貨の大きな価格変動、そしてマーケットプレイスが抱える不透明性、アートの社会的価値、芸術が広く経済の交換媒体になる疑問など、様々な問題も浮き彫りとなり、賛否両論、数多くの議論が起きています。その結果、多くのアーティストがCryptoArtの世界に飛び込むのを躊躇する状況を引き起こしているのです。
ライゾマティクスではこの大きなムーブメントが引き起こす問題と可能性を検証するためにはCryptoArtの作品を制作、販売するだけでは問題の本質を理解出来ないと考え、独自でプラットフォームを開発いたしました。本プラットフォームはβテストでの検証、本番環境での実験での成果によって柔軟に変化していく予定です。
今後、ライゾマティクスのアーティスト以外にもプラットフォームの利用を公開していくことも検討しています。ぜひ、ご期待ください。
真鍋大度

ライゾマティクスは独自のプラットフォーム「CryptoArt-Experiment」の公開を通して、NFTとCryptoArtの世界で起きているさまざまな問題とメリットを可視化し、多様な視点から議論のきっかけを創出していく。NFTの購買体験がよりクリアになることで、デジタルコンテンツ及びアーティストの市場の確立と活動の選択肢が生まれることが期待されている。

公式サイトはこちら

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