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2025.07.01
知財ニュース
北海道大学ら、尿がん検査「マイシグナル」から肺がんステージ0を早期発見、成果を学会で報告

尿でがんのリスクを調べる検査「マイシググナル」を提供するCraif株式会社は、北海道大学病院、・岩内協会病院、岩内町との共同研究を通じて、尿がん検査「マイシグナル」が肺がんの早期発見と治療に貢献した実証例を、第42回呼吸器外科学会学術大会で発表した。
同研究では、マイシグナルで肺がんのリスクが高いと判定された人が精密検査を受けた結果、肺がんの疑いのある腫瘍が発見された。その結果を受けて、手術で切除可能なステージ0の肺がんを取り除くことができ、完治に至ったという。
取り組みは、がん検診の受診率が他の都道府県に比べて低い北海道の社会課題解決を目指すもの。特に、がん検診率が約6%と極めて低い北海道岩内町にて、高精度かつ簡便で、自宅でも実施可能な「マイシグナル・スキャン」を活用した肺がんの前向き観察研究を実施した。
「マイシグナル・スキャン」は、がんの発症や進行、転移に重要な役割を果たすマイクロRNAに着目した尿がん検査。本サービス最大の特長は“痛みがない”という点だ。
今回の結果は、広大な土地や医療資源の不足といった地理的制約がある地域でも、高精度かつ痛みのない尿検査によってがんの早期発見機会を創出できる可能性が示された形となる。
今回の研究は、Craifが北海道大学やサツドラホールディングスなどと設立したコンソーシアム「CRUSH-Cancer」の取り組みの一環として行われた。コンソーシアムは、がんの早期発見と治療を目的として、尿検査の医学的・社会的な有効性を検証する取り組みを進めていく。
Craif社は、「人々が天寿を全うする社会」の実現をビジョンに掲げ、医療の中心を治療から予防へとシフトさせることを目指している。今回の成果は、そのビジョンを具体化する重要な一歩であり、同社は今後もマイシグナルの活用を通じて、低い検診率という社会課題の解決と、がんの早期発見に貢献していく方針だ。
■ マイシグナル・スキャンについて
「マイシグナル・スキャン」は、がんの発症や進行、転移に重要な役割を果たすマイクロRNAに着目した尿がん検査です。本サービス最大の特長は“痛みがない”という点です。ご自宅または導入医療機関で採尿するだけで、負担なく気軽にがんのリスクチェックを行っていただけます。現在の対応がん種は大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、すい臓がん、食道がん、卵巣がんの最大7種です。
詳細はWebサイトをご覧ください。(https://misignal.jp/)
Top Image : © Craif 株式会社