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2024.12.04
知財ニュース
JR東海とマクニカ、脳波測定で新幹線運転士の集中度を可視化
マクニカは、JR東海と、脳波解析による新幹線運転士の集中度と覚醒度計測の実証実験を実施したことを発表した。
実証実験は2023年12月1日から2024年3月31日まで実施され、脳波測定デバイスBitBrain AirとInnerEye SensePlusを用いて脳波測定を行なった。
東京~新大阪間を走行する列車で、早朝、午前、午後、夜間の各時間帯に、2名の運転士から異なる日の同列車で脳波を測定。
その後、測定結果から判明した情報を基に対策の仮説を立て、数種類の対策の効果測定を実施し、その対策によっていかに脳波反応に変化が生じるかを分析した。
得られたデータから状態変化の傾向を分析し、効果検証も実施。結果として、運転士は全体的に高い集中度と覚醒度を維持しているものの、細かく分析すると、一定の状態変化には一定の傾向が見られることや、対策内容によって変化に違いがあることなどが明らかになった。
今回の実験は、新幹線の安全対策をさらに強化するため、JR東海が、運転中の集中度・覚醒度などのメカニズムや対策について、科学的に解明することで、さらなる安全性を追求するため、運転中の状態変化を計測・分析することに注目し、研究テーマとして取り上げたことがきっかけ。
自動車の運転に対するドライバーの状態解析の例:集中力、興味、疲労度の測定結果例 © マクニカ
近年進歩した脳科学研究、AI技術、小型脳波計を活用し、マクニカのブレインテック技術を用いて、運転中の脳波測定による集中度・覚醒度の可視化、そして安全運行に関与するメカニズム解明と効果的な対策手法の確立が目的。
マクニカは今後、新幹線だけでなく、経験値に関わらず様々な運転状況における状態計測への応用を目指し、独自のデータ収集と解析を進めていく方針。
Top Image : © 株式会社 マクニカ