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2025.03.06

知財ニュース

パナソニックとJR東日本、ナノイーX発生装置を開発―京福電鉄嵐山線の新型車両「KYOTRAM」に搭載へ

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パナソニックとJR東日本テクノロジー株式会社が共同で開発したナノイーX発生装置を京福電鉄が採用し、2025年2月28日より運行開始の嵐電の新型車両「KYOTRAM」に搭載される。

京福電鉄、および路面軌道用車両にナノイーXが搭載されるのは、今回が初のこと。

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パナソニックが開発したナノイーは、空気中の水分に高電圧を加えて生成するナノサイズの微粒子イオンで、さまざまな物質に作用しやすいOHラジカルを含んでいる。このOHラジカルの生成を従来比10倍に高めたのがナノイーXで、脱臭や、菌・アレル物質の抑制など多様な効果を有している。また、ナノイーは、一般的なイオンと比べて約6倍の寿命があるため広範囲に広がる。水分量は空気イオンの約1,000倍(体積比)以上で、肌や髪にやさしい弱酸性のイオンだ。

昨今の世界的な空気質への関心の高まりを背景に、より清潔・快適な空間を提供する技術として、モビリティ空間、商業施設やホテル、オフィス、学校などさまざまな施設・公共空間での採用が増加、グローバル累計出荷台数は2024年に1億台を突破した。

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ドアの開閉や人の出入りが頻繁、かつ細長い大空間という鉄道車両の特異な環境でナノイーの効果を最大限に発揮させるためには、車両内で均一に広がるような流体制御が必要だ。そこで、パナソニックとJR東日本テクノロジーは共同で検討を重ねて鉄道車両に最適化を図り、JR東日本テクノロジーがパナソニックのナノイーXデバイスに制御電源装置を組み込む形で製品化。

路面電車の特長である「人にやさしい」の深化を目指し、京都を訪れる観光客や日常で利用する人に安全・快適で心に残る移動空間を提供するという「KYOTRAM」の開発コンセプトにナノイーXが合致することから、採用に至った。今回の京福電鉄の採用により、鉄軌道車両におけるナノイーの採用は、17社になる。

パナソニックとJR東日本テクノロジーは、今後も鉄軌道車両に特化させてナノイー技術を進化させるとともに、京福電鉄は2028年度までにナノイーXを搭載する計7両の新型車両を導入し、利用するユーザーに清潔で快適な移動空間を提供していくとしている。

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Top Image : © パナソニック 株式会社

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