News
2025.04.28
知財ニュース
名古屋大学、100Hzの音を用いて乗り物酔いを軽減できる技術を発表

名古屋大学の率いる研究チームは、「独自の音刺激技術」(特定の波長の音で内耳を刺激する装置)を用いることで、乗り物酔いを軽減できることを発見したと発表した。
研究チームは、この独自の音を「サウンドスパイス」と呼び、この音を用いた短期的な刺激が、吐き気やめまいといった乗り物酔いの症状を軽減することを実証した。内耳のバランス感覚に関わる部位である耳石器を100Hz(60.9~65.9dBA)の独特な音で刺激することで、バランス感覚が向上するのだというい。たった1分間の刺激でも、走行中の車内で読書をする人が感じるふらつきや不快感が軽減されたとのこと。
実験では、ブランコ、ドライビングシミュレーター、車に乗車させ、姿勢制御、心電図、乗り物酔い評価質問票の結果を用いて刺激の効果を評価。
ドライビングシミュレーターを使用する前に、この独特の音を聴取すると、交感神経の活性化が促進された。研究者たちは、乗り物酔いによく見られる「ふらつき」や「吐き気」といった症状が軽減されることを発見した。
「サウンドスパイス」の健康リスクは最小限であり、刺激レベルは職場の騒音安全基準をはるかに下回っているため、適切に使用すれば安全であることが期待されるとのこと。
研究者たちは、この技術をさらに開発し、航空旅行や海上旅行を含む様々な移動場面への実用化を目指している。
Top Image : © 名古屋大学