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2025.03.13
知財ニュース
日本初、3Dプリンターとプレハブ建築の融合に成功―3Dプリント建築の公共トイレが完成

百年住宅株式会社は、建築用3Dプリンターの技術とプレハブ建築のWPC工法を融合させた日本初となるハイブリッド建築を開発した。2025年2月、静岡市駿河区桃園町にあるSBSマイホームセンター静岡展示場において、同技術によるトイレ建屋を完成させた。
完成した公衆トイレは、構造躯体にWPC工法(PCパネル部材を現場で組み立てる工法)を採用し、意匠的な壁として3Dプリンターで製作した部材を囲むように設置。これにより、鉄筋コンクリート造では難しかった円形や曲線、凹凸のあるデザインが実現した。
3Dプリンター部材は中空構造により軽量化され、工場で製造された部材を大型トラックで容易に運搬可能。現場で組み立てることで、構造躯体の組み立て工期を従来の1/4程度に短縮することに成功し、人件費高騰の解消にも貢献できる。
使用された建設用3DプリンターはオランダTAM社製のアーム式。材料には、百年住宅がオリジナル配合したモルタルと添加剤の配合材を使用し、3Dデータに基づき部材を自動的に出力する。
同技術は、建設業界の職人不足や建築資材の高騰、工期の長期化といった課題解決に貢献するだけでなく、デザイン性と機能性を両立させた、新たな建物の可能性を示唆するものとして、業界から注目を集めている。
Top Image : © 百年住宅 株式会社