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2023.01.27

知財ニュース

凸版印刷、くずし文字を解読するアプリを開発─スマホで撮影するだけで解読

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凸版印刷株式会社は、スマートフォンで撮影したくずし字資料をその場で手軽に解読できるスマホアプリを開発した。

今回開発されたアプリは、日記や書簡などの手書きの資料と、版本や錦絵などの木版資料などのそれぞれ異なる字種双方に対応した2種類のAI-OCR(AIによる光学文字認識機能)を搭載。幅広い資料の解読を支援する。

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また、つなげて書かれた文字の区切り位置も含めてAIが自動検出し解読する「フルオートモード」と、高精度かつ文脈に合った文字をユーザーが選択しながら解読できる「1文字モード」の2つのモードにより、幅広いニーズに応える。

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なお、解読モードやAI-OCRの切り替えは、大きく見やすいボタンからでき、パソコンやスマートフォンの操作が不慣れなユーザーも手軽に解読可能。資料館等での古文書の解読や調査業務の効率化のほか、「手元にある古文書の概要を知りたい」「くずし字を読めるようになりたい」といった一般利用者のニーズにも対応する。

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日本国内に数十億点以上残存すると推測されている古文書には、当時の生活の様子や災害の記録など現代の社会課題の解決に直結する情報や、地域特有の催事や料理など、観光資源の創出、地域の活性化にもつながる貴重な情報が記されている。しかし、古文書の多くはくずし字で書かれているため判読が困難という課題がある。そのため、内容がわからないために破棄されるケースも多く、災害や紛失、焼失のリスクも高い。

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同社は、こういった課題の解決のため、2015年より国文学研究資料館との共同研究を開始。2017年には、原本画像と解読テキストを重ねて表示できる法人向けサービス「ふみのはビューア」を、2021年にオンラインくずし字解読支援システム「ふみのはゼミ」をリリースしており、慶應義塾大学をはじめ、多くの研究機関や大学などで採用されている。

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同社では今後、2023年1月にベータ版を公開し、3月に正式版の一般販売を予定しているとのこと。

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Top Image : © 凸版印刷 株式会社

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