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2024.08.16

知財ニュース

Sakana AI、科学研究を全自動化する「AIサイエンティスト」発表―実験・論文執筆・レビューなどをAIが自ら実行

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人間の介入を一切必要とせず、研究開発プロセスを全自動化するAIシステム「The AI Scientist(AIサイエンティスト)」が誕生した。研究アイデアの発案・実験・論文執筆といった科学研究のプロセス全体を、AIが自律的に行うシステムだ。開発を牽引したのは、日本を拠点とするAIベンチャーのSakana AI。研究は、オックスフォード大学、ブリティッシュ・コロンビア大学と共同で行った。2024年8月12日、本取り組みに関する論文を公開している。

「AIサイエンティスト」には、大規模言語モデル(LLM)などの基盤モデルを用いている。開始前の準備だけ人間が行えば、その後のプロセスは完全自動化できる。

研究の方向性に関するプレインストーミングから始めてアイデアを検討。学術文献の検索も可能で、斬新さを評価しながらアイデアを創出する。その後、アイデアをもとに実験を設計して実行。実験の中で、結果を論文にまとめるための文章構成や実験メモ・図などを取得して、論文の作成準備を行う。論文は、標準的な機械学習関連会議のスタイルを踏まえて執筆。関連論文も学術文献の検索から自律的に見つけて引用する。

論文をフィードバック・改善する仕組みもある。論文を執筆するLLMとは別に、査読者役のLLMも開発しており、生成原稿を高精度に査読・評価してフィードバック。反復的に改善提案を行い、研究開発の発展を促す。

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すでに「AIサイエンティスト」は、機械学習研究の分野で複数の論文を執筆している。Sakana AIらは、現状ではまだ解釈の相違があるなどいくつかの欠陥があるとしながらも、新しい方向性の提案など、良い結果が得られたと評価。また、論文生成にかかったコストは1本あたり約15米ドルだったとして、コストメリットも強調している。

また本研究により、将来的に「AI サイエンティストが研究を民主化し、科学の進歩を大幅に加速させる可能性」が示されたと言及。一方で、人間の科学者の役割が縮小されるとは考えておらず、「科学者の役割は変化し、新しいテクノロジーに適応して、上位の階層に移るだろう」との考えを述べている。

「AIサイエンティスト」に関する論文は、世界最大のプレプリント・サーバー「arXiv」に掲載。また、GitHubでソースコードを無償一般公開している。

ニュースリリースはこちら(1)(2)
arXiv・掲載論文「The AI Scientist: Towards Fully Automated Open-Ended Scientific Discovery」
GitHub「SakanaAI/AI-Scientist」

Top Image : © Sakana AI 株式会社

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