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2024.12.03
知財ニュース
騒音や刺激を可視化する「センサリーマップ」開発へ、感覚過敏研究所がクラウドファンディング開始
光や音、ニオイなどの刺激に敏感な人々の外出を支援するウェブサービス「センサリーマップ」の開発を目指し、感覚過敏研究所がクラウドファンディングに挑戦中だ。このプロジェクトは、感覚過敏の人々が安心して外出できる未来を創ることを目的としており、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて現在多くの支援を呼びかけている。
「センサリーマップ」は、刺激が多い場所や静かな場所、カームダウンスペースを地図上に可視化し、口コミや評価を通じてユーザー同士が情報を共有できるサービスだ。感覚過敏の人々だけでなく、静かなカフェを探したい人や落ち着ける場所を求める人にも役立つツールとして、幅広い利用が期待されている。
同研究所のアンケートによると、感覚過敏を理由に外出をあきらめた経験がある人は81.9%にのぼる。特に、「体調不良やパニックへの不安」「安心して休憩できる場所の確保が難しい」「同行者に迷惑をかけたくない」といった理由が挙げられる。このため、学校や仕事、買い物に加え、映画館での鑑賞やライブ観覧、スポーツ観戦といった娯楽を諦めざるを得ないケースも多い。
こうした課題を解決するために開発される「センサリーマップ」は、騒がしい場所や刺激の強い場所、静かな場所やカームダウンスペースなどを地図上で可視化する。ユーザーは口コミや評価を通じて情報を共有でき、外出先の環境を事前に把握することで不安を軽減し、安心して外出できる環境を整えることができる。
センサリーマップが提供する情報は、感覚過敏の人々だけでなく、静かなカフェを探したい人や騒音を避けたい人にとっても有益だ。また、今後、自治体や企業との連携により、さらなる情報の拡充と普及を目指す。「五感にやさしい」社会の実現が進むだけでなく、感覚過敏を理由に日常生活やレジャーを諦めていた人々の選択肢を広げることを目指している。
このプロジェクトは、誰もが無料で利用できるウェブサービスを目指しており、現在、クラウドファンディングでは、開発費用やサービスの運営費の支援を募集中だ。支援者にはリターンとして、プロジェクトの進捗を伝える特典や感謝のメッセージが用意されている。さらに、プロジェクトに参加することで「五感にやさしい社会」の構築に貢献できる。
感覚過敏だけでなく、快適な空間を求めるすべての人々に役立つこのサービスは、人々が自由に街を歩き生活の幅を広げ、外出先の不安を軽減し、安心して行動できる社会の実現を目指している。都市開発や空間デザインにも新たな視点を提供し、より多くの人々が利用しやすい環境の整備につながることを目指している。
Top Image : © 感覚過敏研究所