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2025.06.10
知財ニュース
「iPhoneのマイナンバーカード」登場―6月24日開始、マイナ保険証への展開も予定

デジタル庁は2025年6月24日より、「iPhoneのマイナンバーカード」の提供を開始する。iPhone の「ウォレット」にマイナンバーカードを追加して機能搭載する仕組みで、物理的なマイナンバーカードの代わりに利用できる。今回の展開は、昨年5月に決定した方針に基づくもの。端末の生体認証(Face ID・Touch ID)を経て、行政サービスを受けられるようになり、利便性・安全性が高まる。
「iPhoneのマイナンバーカード」では、マイナポータルへのログインやコンビニでの証明書の取得などが可能。マイナポータルで引っ越し手続きを進めたり、コンビニで住民票の写しなどを取得したりができる。いずれの行政サービスもFace ID・Touch IDで利用でき、パスワードなどの都度入力が不要になる。
紛失時のリスクも抑える。マイナンバーカードを追加したiPhoneの紛失に対しては、「マイナンバー総合フリーダイヤル」で、24時間365日、一時利用停止を受け付ける。加えて、Appleの「探す」アプリからの一時利用停止も可能にする。
対面での本人確認機能の提供も予定している。事業者・自治体向けの「マイナンバーカード対面確認アプリ」のiOS版に、「iPhoneのマイナンバーカード」で本人確認できる機能を追加する。提供開始は、25年7月中の予定。
なお、Android端末は先行してマイナンバーカード機能を搭載しているが、現状では「電子証明書機能」に限られており本人確認の機能はない。「iPhoneのマイナンバーカード」の機能追加で、店舗や受付窓口での本人確認を効率化する手段として、事業者の活用が進む可能性がある。
デジタル庁はさらに今後、iPhoneの「マイナ保険証」への対応も進める方針。実証実験を経て、25年9月ごろから一部の医療機関で運用を開始する予定だ。
Top Image : © デジタル庁