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2025.06.13

知財ニュース

Beyond AI、故人と再び会話できるサービス「遺影AI」を開発―生前のデータをAI学習させ故人と対話へ

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株式会社Beyond AIは、故人の写真や音声をAIが学習し、故人と再び会話できるサービス「遺影AI」を研究、開発した。

遺影AI」は、亡くなった人の写真や音声などの生前のデータをAI技術により学習させ、故人の姿や声、さらには会話の個性までを再現し、まるで生前のように“会話”できる体験を提供する新しいメモリアルサービスだ。

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従来の遺影は静止画であり、遺族が故人を思い出すための「形見」としての役割にとどまっていたが、AI技術の進化により、遺影はただ“見るもの”から、“対話するもの”へと進化している。このサービスは、葬儀後も故人との心のつながりを保ちたいと願う多くのニーズに応えるものであり、孤独や喪失感に寄り添う新たな手段として注目を集めている。

遺影AI最大の特長は、「故人と会話ができる」というこれまでにない体験を提供する点だ。AIが故人の口調や語彙、話し方の特徴を学習し、まるで生前のような自然な返答をしてくれるチャット・音声会話機能が搭載されている。ユーザーはスマートフォンやPC、タブレットなどから故人に話しかけることができ、日常の出来事を報告したり、思い出話を共有することができる。

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写真からは顔の輪郭や表情のクセ、笑い方などを捉え、音声からは声の高さや話し方のリズム、イントネーションを再現。最近では、スマートフォンやSNSに多くの写真や動画が残っているため、特別な準備をせずとも、自然なかたちでデータを集められる点もこの技術の魅力のひとつだ。

まばたきや微笑み、首をかしげる動作などもAIによって自然に生成され、まるでそこに“生きている”かのような印象を与える。

音声がない場合でも、ナレーションに似た声を合成することができ、リアリティを損なわない体験の提供が可能。再現された故人は、バーチャル空間上で遺族に語りかけたり、エピソードを語ったりすることができ、より深い「記憶との再会」を演出する。

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この動く遺影は、タブレットや専用のデジタル額縁に表示でき、家庭のリビングや仏壇に設置することで、これまでにない「温かみのある遺影」として活用されている。

遺影AIには、家族や親族が同じ空間で思い出を共有できるクラウド機能も備わっている。アップロードした写真や動画、故人とのAIチャット履歴などを家族全員で見返すことができる。また、家族それぞれが故人に話しかけた内容もAIが記録し、その情報をもとに会話の精度が高まっていくため、家族全員で育てていくAI遺影としての活用も注目されている。

遺影AIは、さまざまな業種・状況での活用も期待されている。近年では、ペットを亡くした際の「ペットロス」に悩む人が急増している。ペットの姿や鳴き声を学習させることで、「ペットAI」としての供養にも活用可能だ。

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寺院や霊園、納骨堂などを運営する供養関連事業者にとっても、遺影AIは新たな付加価値サービスとして導入が進むとされている。例えば、納骨堂内に設置されたモニターに故人のAI遺影を表示し、訪れた遺族が話しかけることで、「デジタル墓参り」という新しい供養の形を実現できる。これにより、若年層にも響く現代的な供養のスタイルとして、寺院のデジタル化・差別化を図ることが可能だ。

遺影AIは亡くなった後だけでなく、生きているうちから準備する“新しい遺言”の形としても活用が始まっている。生前に自分自身の声やメッセージ、人生の記録をAIに学ばせておくことで、残された家族に言葉や思いを未来に届けることができる。

「自分らしさを残したい」「家族に伝えたいことがある」そんな想いに応える形で、生前登録型AIメモリアルという新しい需要が生まれており、エンディング産業や終活分野との連携も期待されている。

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Top Image : © 株式会社 Beyond AI

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