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2024.08.02

知財ニュース

技研製作所、振動や騒音が小さい油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を開発

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技研製作所は、無振動・無騒音の杭打ちを実現した杭圧入引抜機「サイレントパイラー」を開発した。

圧入とは、工場生産された鋼杭やコンクリート杭などの既製杭を地盤中の所定の深度まで貫入し設置する既製杭設置方法の一つで、すでに地中に押し込まれた杭/矢板を数本つかみ、その引抜抵抗力を反力として次の杭を油圧による静荷重で地中に押し込んでいく工法だ。

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打撃や振動により既製杭を地盤中に設置する打込み方式では、必然的に振動や騒音といった建設公害を発生させてしまう。また地盤を削孔して既製杭を設置する埋込み方式は、余分な排土や泥水が発生する。

圧入は他の設置方法と比べ、周辺環境に及ぼす振動や騒音が小さく、地盤を乱さず、汚泥が発生しないという長所を有している。また、既に設置された完成杭から反力を得るため、圧入機本体の自重が必要なく、施工機械の軽量・コンパクト化が図ることができる。そのため様々な現場環境への適用が可能になるのだという。

同社が開発した油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」は、すでに地中に押し込まれて地球と一体化した杭(完成杭)を複数つかみ、それら杭の引き抜き抵抗を反力とする。つまり、サイレントパイラーは地球をつかみ、反力とすることで、軽くて小さな機体でも大きな力を発揮することができる。

高度経済成長期、大規模建設が次々と行われ、杭打ちの騒音と振動は大きな建設公害として問題視されていた。「建設公害を一切出さずに工事をする方法はないか」と公害対処企業を志した北村精男により創業。

「すでに地中に押し込まれて地球と一体化した杭、その杭をつかんで反力とし、次の杭を静荷重で地中に押し込む」という圧入原理は、創業者である北村により、日々繰り返される建設工事の中から“気付き”により発見され、実用化に至った。建設現場で土留め壁として地中に打ち込んだ杭を引き抜く際に、地中の土が杭にまとわりつき容易に引き抜けないという経験から、地中に打ち込んだ杭を複数本つかむことで「地球と一体化」したことになり、大きな力を出すことができるのではないか、そしてその力を利用することで振動・騒音のない無公害杭打機ができるのではないかという発想だ。

そうした発想をもとに機械開発を進め、1975年7月に圧入原理を具現化した無公害型の油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー(KGK-100A型)」が誕生した。

また、同社は月面等での建設活動プロジェクトにも参加しており、政府「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」(スターダストプログラム)の一環の「月面等での建設活動に資する無人建設革新技術開発推進プロジェクト」にて、「技術研究開発(R&D)」ステージで技術の開発や実証に着手している。杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」やシステム機器は他の杭打ち機と異なり、地盤に打ち込んだ杭をつかみ、その引き抜かれまいとする抵抗力(反力)を利用して次の杭を打つことができるため、機械重量で機体を安定させる必要がなく、原理上、無重力空間でも施工が可能とのことだ。

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「サイレントパイラー」開発ストーリー

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Top Image : © 株式会社 技研製作所

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