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2024.10.21

知財ニュース

「CEATEC AWARD 2024」、総務大臣賞、経済産業大臣賞、デジタル大臣賞など各部門賞が決定

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一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、「CEATEC 2024(シーテック 2024)」にて展示された技術・製品・サービス等を対象とする「CEATEC AWARD 2024」の総務大臣賞、経済産業大臣賞、デジタル大臣賞、25周年特別賞、グローバル部門賞など部門賞がそれぞれ決定したと発表した。

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「CEATEC 2024(シーテック 2024)」は、2024年10月15日(火)から18日(金)の期間で開催されたデジタルイノベーションの総合展だ。今年で25周年を迎え、本年は、「Toward Society 5.0」のコンセプトのもと、CEATEC 25周年の特別テーマ「Innovation for All」を掲げ、特別企画やCONFERENCE・イベントなどが実施された。

「CEATEC AWARD 2024」は、CEATEC 2024に展示される技術・製品・サービス等の中から、出展者が事前に応募した出展品・案件について、「CEATEC AWARD 2024 審査委員会」が学術的・技術的観点、市場性や将来性等の視点から、イノベーション性が高く優れていると評価できるものを審査・選考し、表彰するアワードだ。

◾️総務大臣賞

ViXion01S ~眼のピント調節機能を代替・拡張する次世代アイウェア~

ViXion株式会社(Next Generation Park|ブース番号:5H251)

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【案件概要】
個人の目の見え方や見ているものに合わせて自動でピントを調節し、スムーズなオートフォーカスを実現するアイウェア。センサが対象物までの距離を測定し、独自のアルゴリズムをもとに小さな特殊レンズの形を瞬時に変えることでストレスフリーなピント調節を実現している。老視や近視、弱視など見えにくさの課題を持つ方を対象とし、両手が塞がる細かい近接作業や、近くと遠くを繰り返し見る場合などに適している。

【選評】
弱視の人だけでなく、老眼や近視など視覚に課題を感じる人にとっても福音となり得るデバイスだ。もともと弱視障害者向けに、HOYA株式会社が開発していた技術を転用し商品化。過去、クラウドファンディングでも目標を大きく上回る成功を収めている。現行製品も完成度が高いが、同時にユーザーからのフィードバックにより開発を続けており、本案件の今後に期待。近視人口の増大等を踏まえ、「これからの社会に必要な」テクノロジーであることが高く評価された。

◾️経済産業大臣賞

屋外対応 A0 サイズ ePoster

シャープ株式会社(General Exhibits|ブース番号:7H502)

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【案件概要】
消費電力0Wで表示保持可能な電子ペーパーディスプレイ。屋外設置可能で大型となるA0サイズ製品を開発。外光を反射して表示するため、明るい屋外設置と相性が良く、屋外の掲示板やバス停等の大判ポスターをデジタル化したいという市場の声を反映。大型化、屋外環境対応、太陽光発電システムと組み合わせた、環境配慮かつスマートな電子ポスター製品だ。

【選評】
表示時において消費電力0WとなるE ink(イーインク)技術を採用した電子ペーパーディスプレイ。IP65相当の対環境性能を有し、アンチグレア処理された画面は、屋外での視認性も良好。夜間においては、視認性向上のために発光し、照明としての活用も見込まれる。LPWA通信網を活用し、データ書き換えも可能。ソーラー発電による充電とフル充電で16時間の点灯が可能な省エネ設計により、災害時のサイネージや照明等の活用の広さ、耐用性などに期待が寄せられ、自社技術を集めて応用した製品としてのユニークな点も高く評価された。

◾️デジタル大臣賞

デジタルツインソフトウェア【TRANCITY】

CalTa株式会社(General Exhibits|ブース番号:6H163)

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【案件概要】
動画をウェブブラウザ上にアップロードするだけで、誰でも簡単に3Dデータが生成できるデジタルツインソフトウェア。生成した3Dデータは寸法情報のほか位置・時系列情報を有しており、Google 3D Mapをはじめとする複数種類の地図上へ実寸大で配置することでインフラ施設の「何・いつ・どこ」が一目で分かり、インフラの維持管理・建設を中心とした幅広い用途での活用が進んでいる。

【選評】
老朽化や自然災害などインフラの維持管理に課題が生じつつある現状において、動画を撮影するだけで3Dデータが作成できるデジタルツイン技術「TRANCITY」は、インフラの維持管理や建設業をはじめ、その他製造業などを中心とした幅広い活用が見込まれる。自動3Dデータ生成、画像データ管理と情報共有、互換性やGoogle 3Dとの連携など、用途も幅広い。同社は東日本旅客鉄道株式会社を母体とする企業であり、本案件は現場のニーズから生まれたソリューションであることを踏まえ、実用性の面で高く評価された。

◾️25周年特別賞

産業DX推進と業務効率化を実現するNECの映像認識×生成AI

日本電気株式会社(General Exhibits|ブース番号:4H125)

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【案件概要】
長時間の映像データに映った人物や車、建物、動物、樹木、空の様子などのさまざまな物体や環境と、それらの変化を認識・理解し、さらにNECが開発した生成AIの大規模言語モデル(LLM)を用いて、利用者の目的に応じた短縮動画と説明文章を自動生成する世界初の技術だ。本技術は、デジタル都市に蓄積される膨大な映像データの利活用を可能にし、産業DX推進と業務効率化の実現に貢献する。

【選評】
大規模言語モデルと映像認識AIを組み合わせて映像データを解析し、長時間の映像から利用者の目的に合わせた短縮映像と説明文章の生成する技術を世界で初めて実現。損害保険にかかる事故調査報告書の作成において、従来と比較して作業時間を半減できるという。NEC独自の生成AIを活用しており、現時点での技術優位性が評価される。当該技術が今後進化することによって、例えば自動車による事故の発生が低減するのではないかという期待、また他のさまざまな領域に応用できるのではないかとの期待が寄せられた。審査の結果、本年のCEATEC開催テーマである「Innovation for All」に基づくCEATEC 25周年特別賞に最も相応しいと評価された。

◾️グローバル部門賞

Data doesn't flow on rainbows

Gaia-X European Association for Data and Cloud AISBL (グローバルパーク EUパビリオン内|ブース番号:5H234)

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【案件概要】
Gaia-Xはソフトウェアと仕様を提供し、企業や個人がデータを管理することなく交換・共有できるようにする。 ソフトウェア・コンポーネントには、コンプライアンス・エンジン、レジストリ、公証人が含まれ、これらはGaia-X Digital Clearing Houses(GXDCH)によって展開される。これらのツールは、Gaia-Xが設定した標準に準拠した方法でデータが交換されることを保証するために連携し、参加者がデータ共有活動に従事しながらも、データの管理を維持できるよう支援する。

【選評】
ヨーロッパ主導の自律分散型の企業間データ連携のコンソーシアムで、欧州だけで300社、日本企業もルール作成や運用に関わっている。1社のみでデータを独占する他のプラットフォームと比較して、製品の上流工程からエンドユーザーまでのデータを一元管理することも可能。データ連携の推進により、企業とユーザーの両方が恩恵を受けられることが期待されている。利用が広がることで、データ流通を促す重要な基盤となることが評価された。

Neuro ID® :

The Ultimate Secure Biometric Solution

YNEURO(グローバルパーク EUパビリオン内|ブース番号:5H234)

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【案件概要】
ニューロIDは、各個人のユニークな神経シグネチャーを利用することで、本人確認を一変させる先駆的なバイオメトリクス認証システムです。従来の方法とは異なり、Neuro IDは、複製が不可能な神経パターンを活用することで、安全でプライベートかつシームレスな代替手段を提供します。この技術により、パスワードや物理的な生体認証が不要になり、セキュリティ侵害のリスクが大幅に軽減される。適応学習機能により、認識精度が継続的に向上し、高度にパーソナライズされたユーザー体験を提供します。

【選評】
脳波を、複製が不可能な生体認証データとして活用することで、パスワードや物理的な生体認証を不要とするソリューション。小型のEEGセンサーの場合、ノイズ耐性に課題が感じられるが、実現すれば新しい認証基盤となる可能性を秘める。その新規性やイノベーションにチャレンジしている意気込みが評価された。また、実現した際に広がる応用の幅広さなどの将来性にも期待が寄せられた。

上記部門の他、イノベーション部門賞、ネクストジェネレーション部門賞、コ・クリエイション(共創)部門賞も「CEATEC 2024(シーテック 2024)」の公式サイトにて発表されている。

「CEATEC 2024(シーテック 2024)」は、モビリティ関連企業と次世代を担うスタートアップによる、ビジネス共創を生み出すビジネスイベント「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2024」と併催イベントとして連携。産業の枠を超えて連携することで、テクノロジーで社会を豊かにし、夢のある未来の実現を図るとしている。

CEATEC 2024(シーテック2024)
期間:2024年10月15日(火)-18日(金)
会場:幕張メッセ

「CEATEC AWARD 2024」総務大臣賞・経済産業大臣賞・デジタル大臣賞 25周年特別賞、部門賞はこちら

「CEATEC AWARD 2024」グローバル部門賞はこちら

「CEATEC 2024」公式サイト

Top Image : © 一般社団法人 電子情報技術産業協会

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