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2025.04.18
知財ニュース
川崎重工、山でも乗れる四足歩行型のモビリティ「CORLEO」発表-大阪・関西万博で公開

川崎重工グループは、4脚で走行する新たなオフロードパーソナルモビリティ「CORLEO(コルレオ)」を発表した。2050年のコンセプトモデルと位置づけており、大阪・関西万博で公開する。
「CORLEO」は四足歩行のロボットで、乗馬のように跨って乗れる。悪路走行性能が高く、山道や岩場などでも走行可能。モーターサイクルの技術をベースに、操縦性や安定性も備えている。乗り手の重心移動を検知して動く仕組みで、「人馬一体の安心感を実現する」という。
マシンの脚には、モーターサイクルのスイングアーム機構を採用。前脚と後脚が独立して上下に動き、走行・歩行時の衝撃を吸収する。段差や坂を登る際は、見上げる格好にならずに姿勢を保てるため、進行方向の地形状況も確認しやすいという。
地面に接するひづめには、路面の凹凸を吸収する滑りにくいラバー素材を活用。左右2分割構造で構築しており、岩や石が積み重なったガレ場や水場にも対応する。
操縦は乗馬のように重心移動で行う。前方のハンドルと本体中央に設置されたステップで、乗り手の重心移動を検知して動く。ステップは長さが変化し、乗り手の姿勢を支えるあぶみとして利用できる。
ハンドル付近には、ナビゲーション機能を備えたインストルメントパネル(計器盤)を搭載する。山頂までのマップ・ルートや乗り手の重心位置、燃料の残量などを表示。夜間には、マシン前方の路面に進路を示すマーカーを照射して走行をサポートする。
燃料には水素を用いる。150ccの発電用水素エンジンと水素を保存するキャニスターを搭載。4脚に設置したパワーユニット(動力を発生させる装置)を、発電した電気で駆動させる。
川崎重工グループは、大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業「未来の都市」パビリオンの中で、「未来の移動」の具現化に取り組んでいる。テーマは「移動本能」。人には「移動することによって幸せを感じる」仕組みが遺伝子レベルで組み込まれているとし、「ひと・もの・こころを動かすサステナブルモビリティ」を展示する。
「CORLEO」もその1つ。壮大な自然を自由に駆け回れる新感覚モビリティで、人の「移動本能を解き放ちたい」という。万博会場では「CORLEO」が複数のポーズを取る様子を披露する。
万博では併せて、人を乗せたキャビンが車・電車・船などを自動で乗り継ぎ目的地まで移動する、未来の公共交通システム「ALICE SYSTEM」の一部展示も予定している。
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川崎重工グループ「大阪・関西万博特設サイト」
上記サイト内「CORLEO」
EXPO2025公式サイト「未来の都市」パビリオン
Top Image : © 川崎重工業 株式会社