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2024.06.04

知財ニュース

WOTA、「能登半島地震 災害水ストレスレポート」第二報公表―水利用課題に関する調査結果発表

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WOTA株式会社は、2024年1月1日16時10分に発生した令和6年能登半島地震(以下「能登半島地震」)における実態レポート「災害水ストレスレポート(第二報)」を公表した。災害支援現場の住民の声を基に捉えた災害水ストレスのより詳細な実態と、特に深刻で解決が困難な水利用の課題を明らかにしている。

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第一弾は、2024年3月11日に『能登半島地震、及び国難級災害における「災害水ストレス」レポート(第一報)』として公開済み。

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今回公表された第二弾レポートは、未だ水インフラの復旧にむけて困難な状況下にある被災地域の断水エリアに調査団を派遣し調査されたもの。水が十分に使えない生活における困難さについて伺い知ることができる。

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今回の調査では、髪や身体を洗うことも、水洗トイレで用を足すことも、感染症から身体を守るため手を洗うこともままならない、「災害水ストレス」のもたらす生活者目線での不快感や不安があらわになった。

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また、高齢者や障がい者、生理中・子育て中の女性などの「災害弱者(要配慮者)」や、救急隊員や土木作業員など救命・復旧にあたる人々は、時間や移動の制約、ほかの被災者への遠慮などの心情的問題により、自衛隊の入浴支援を含む水利用施設を利用しにくい場合もあることが分かったという。

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能登半島地震発災から4カ月以上が経過した現在でも、依然として3,110戸が断水の状態にある(2024年5月8日14時00分現在。国交省調べ)。同社では、災害による広範囲・長期間の上下水道等の停止により心身の健康・衛生の維持に必要な生活上の水利用が阻害されることを「災害水ストレス」と定義し、能登半島被災地での支援活動と並行して情報収集と分析に取り組んできた。

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2024年3月11日に発表した『能登半島地震、及び国難級災害における「災害水ストレス」レポート(第一報)』においては、「災害水ストレス」の概要と問題の構造をまとめた上で、今後起こると予想される首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの「国難級災害」における水問題の規模と、それに対し必要な備えの規模を推定。

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その後同社では、石川県珠洲市および輪島市にて追加調査を実施し、発災から3ヶ月(調査時点)以上断水状況が続く現地の声を基に第二弾レポートを公開。「災害水ストレス」の実態の社会的理解を促進することで、今後想定される国難級災害への対策に繋げたい考えだ。

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首都直下地震や南海トラフ巨大地震のような「国難級災害」においては、能登半島地震の50〜100倍の断水被害が想定されている。能登半島地震のような深刻な「災害水ストレス」が何倍もの規模で繰り返される事態を未然に防ぐためには、能登半島で顕在化した水利用の課題を解決できる新たなソリューションや社会的枠組みが必要不可欠。

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今回のレポートに続く「第三報」においては、災害時の応急給水や衛生・トイレ対応に当たる自治体の現場にも調査範囲を広げ、これまで「災害水ストレス」の解決を阻んできた構造的要因をふまえた課題解決案を提示する予定だ。

同社は「『水問題を構造からとらえ、解決に挑む。』を存在意義に抱え、災害水ストレス解決のための支援活動を続け、支援現場から得た学びを次に繋げていけるよう調査・分析活動もより一層強化していく」と述べている。

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Top Image : © WOTA 株式会社

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