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2025.08.13

知財ニュース

東京大学、折り紙で作成した紙飛行機を国際宇宙ステーションから飛ばすシミュレーションを実施

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東京大学の研究チームは、折り紙で作成した紙飛行機を国際宇宙ステーションから飛ばすシミュレーションを実施した。

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地球の軌道環境の持続可能性は、現在の宇宙活動では重要な点だ。従来の金属材料に代わる有機材料の研究や、宇宙ゴミ(スペースデブリ)を除去するための展開式ドラッグセイルの研究などが行われており、このトレンドの中間に位置するものが折り紙なのだという。

研究チームによれば、紙製宇宙飛行機に関する研究はこれまで行われておらず、そのような宇宙船はまだ宇宙を飛行していないとのこと。また、低軌道の非常に希薄な大気中での飛行力学が通常の地上の折り紙飛行機のものと類似するかどうか、また飛行機が大気圏突入中に残るか燃え尽きるかは不明だとしている。

研究では高度400kmにある国際宇宙ステーション(ISS)から紙飛行機が放出されることを想定してシミュレーションがされた。使用した折り紙の飛行機は、A4印刷用紙(コクヨ株式会社製PPC-NAA4)から作られている。紙飛行機の折り方は以下の通りだ。

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実験では、紙飛行機は大気圏突入の大部分において、安定した流れの向きを維持することができたとのこと。高度約120km以下では、激しい空力加熱を伴う回転運動が予想され、高度約90~110kmの大気圏中で燃焼するとされる。

さらに、東京大学柏キャンパスの極超音速高エンタルピー風洞を用いた実験も行った。紙製の宇宙飛行機モデルを音速の7倍の速度とされるマッハ7の風に7秒間さらし、検証された。

検証では、モデルの先端部分が曲がり、翼が黒ずんでいることが明らかになった。この黒ずみは、燃焼または熱分解の開始を示唆しているとされている。したがって、大気圏突入時には燃焼または熱分解が起こることが予想されるとのことだ。

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研究論文はこちら

Top Image : © 東京大学

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