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2021.12.06

知財ニュース

オムロングループの技術論文誌「OMRON TECHNICS」最新号公開─“近未来デザイン”をベースにロボット・AI技術を特集

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オムロンが手がける、オムロングループの技術論文誌「OMRON TECHNICS(オムロンテクニクス)」の最新号(165号)が公開された。最新号では、オムロンが2018年に設立したオムロン サイニックエックス株式会社(OMRON SINIC X)によるロボット・AI領域の技術論文を収録。研究成果や、AI技術などのトレンド・技術展望を解説した技術論文を取りまとめて掲載している。

特集を手がけたオムロン サイニックエックス株式会社は、オムロンが考える“近未来デザイン”を創出する戦略拠点と位置づけられ、オムロングループの成長を牽引する技術や新規事業創出の加速を担っている。”近未来デザイン”とは、オムロンの創業者・立石一真氏が提唱した未来予測理論である「SINIC(サイニック)理論」をベースに、未来起点で技術を創出する取組みを指す。オムロン サイニックエックス社はその実践の場、かつオープンイノベーションの場として、近未来の社会で必要な革新的技術を見出し先駆けて創出し、社会実装を図るための技術構造をデザインすることを目指している。

om_m SINIC理論の図。社会ニーズを先取りした経営を行うためには未来社会の予測が必要との考えから、1970年にオムロン創業者・立石一真氏が構築。

■SINIC理論[概要] ※オムロン公式サイトより抜粋

SINICとは“Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic Evolution”の頭文字をとったもので、「SINIC理論」では科学と技術と社会の間には円環論的な関係があり、異なる2つの方向から相互にインパクトを与えあっているとしている。ひとつの方向は、新しい科学が新しい技術を生み、それが社会へのインパクトとなって社会の変貌を促すというもの。もうひとつの方向は、逆に社会のニーズが新しい技術の開発を促し、それが新しい科学への期待となるというもの。この2つの方向が相関関係により、お互いが原因となり結果となって社会が発展していくという理論。

本特集のタイトルは、「OMRON SINIC X as a Place for Innovation -Pursuing the Forefront of Harmonizing Humans and Machines-」(イノベーションの場としてのオムロンサイニックエックス -人と機械の調和の最前線を目指して)。創業者・立石一真氏が残し、受け継がれている「機械にできることは機械に任せ、人間はより創造的な分野で活動を楽しむべきである」という企業哲学的なものをベースにしている。本誌はそれをもとに、3つの切り口で研究成果を分類し、第1~3章を構成している。

■OMRON TECHNICS(165号) 本誌構成[概要]

巻頭言:「イノベーションの場としてのオムロン サイニックエックス」
寄稿文:「人とAIとの共生創発がもたらすHumanity2.0」/「SINIC X-formation ―パラダイム・シフトの先を拓く技術への期待―」


第1章:人がやっていることを自動化する
第2章:人から学ぶ 人のように学ぶ
第3章:人と協調する 人とともに働く
第4章:技術解説・サーベイ

本誌の寄稿文「人とAIとの共生創発がもたらすHumanity2.0」では、国が進めるIT政策「Society5.0」が実現された近未来の考察が記されている。その中で、Society5.0 が実現される日常では、人と、道具ではない自立汎用型のAIとが共生するとされている。それにより、新たな能力が創発され(これを共生創発と呼称)、将来的には人も機械のようにアップグレードされることが期待できるという。

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Top Image : © Getty images

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