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2025.06.02

知財ニュース

サム・アルトマン発のWorld ID、「人間であること」の証明プロジェクト、日本展開開始

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Worldプロジェクトを推進するグローバル・テクノロジー企業Tools for Humanityは、日本初となるメディア向け事業説明会及び関係者交流イベントを2025年5月15日に開催した。同社は、日本における「World」プロジェクトのさらなる普及と発展を目指すとし、今後の事業展開を発表した。

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Tools for Humanityは、より公正で人間中心のデジタル経済への移行を加速させることを目的として2019年に設立されたグローバル・テクノロジー企業。「World Network」の初期開発を主導し、「World App」の運営も行っている。

同社の牧野氏はこのイベントで、「AIはこれまでのどの産業革命よりも速いスピードで進化しています。人間性を証明できる仕組みがなければ、なりすましや詐欺、誤情報が横行し、社会の信頼は危機に直面することになります。Tools for Humanityはその課題に対する解決策として『World ID』を普及させていきます。」と述べた。

AIスペシャリストの茶圓将裕氏(株式会社デジライズ代表取締役)は、生成AIによる“なりすまし”リスクにおいて、「AIが本物と見分けがつかないレベルに達している今、もはや従来のIDシステムでは防げない」と警鐘を鳴らした。

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Worldは、AI時代のために構築された「人間性の証明(Proof of Personhood)」プロトコルだ。このプロジェクトは、サム・アルトマン、アレックス・ブレイニア、マックス・ノーヴェンスターンによって共同設立されたもの。

その中核をなすWorld IDは、個人情報を開示することなく、「自分が人間である」とオンライン上で証明することを可能にする。SNSへのログイン、コンサートチケットの購入、投票など、公正なオンライン活動を円滑に行うために、利用者がボットではなく唯一無二の実在する人間であることを、匿名かつ安全に認証することができる。

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また、この個人のWorld IDの検証はOrbと呼ばれるWorldcoinプロジェクト用に特別に設計された最先端のハードウェアデバイスを使用して、個人がオンラインで人間であることを証明する。

Tools for Humanitは、生成AI活用普及協会(GUGA)へ加入や、日本におけるこの「World」プロジェクトのさらなる普及と発展を目指し、戦略的パートナーシップの強化や普及活動の拡大を発表。博報堂との提携や、総合デジタルショップ「テルル」の運営や国内大手キャリアショップの代理運営などを手がける株式会社P-UP Worldとの連携では、Orb認証拠点としての役割を全国11店舗で進めている。

また、2025年5月16日(金)より、アパレル企業「バロックジャパンリミテッド」との試験的な取り組みを開始。同社の「The SHEL'TTER TOKYO 東急プラザ表参道『オモカド』店」にOrbを設置し、女性若年層への認知拡大を図るのだという。

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2024年11月には、Web3ゲームプロジェクト「TOKYO BEAST」との連携がスタート。World IDをゲーム内に統合し、ユーザー認証の強化と健全なコミュニティづくりを推進している。同様に、Match Groupとのグローバル提携の一環として、日本のTinderとのWorld ID連携を予定しており、マッチングアプリにおける信頼性向上と「人間同士の本物のつながり」を促進していくとしている。

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Top Image : © Tools for Humanity Corporation

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