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2023.05.02
知財ニュース
音声感情解析AI「Empath」活用で、スクウェア・エニックス発売のゲーム「FORSPOKEN」の表情アニメーション工数を95%削減
音声感情解析AIを提供する株式会社Empathは、スクウェア・エニックスの新作オープンワールドゲーム『FORSPOKEN』の制作時に3Dキャラクターの表情をセリフ音声から解析する技術「DeepEmo」を提供し、表情アニメーターの工数を95%削減することに成功した。
「DeepEmo」は、同社の音声感情解析AI「Empath」でセリフ音声を解析し、0.32秒ごとに変化する感情値を生成する技術。Empathが保有する感情表出音声をもとに、ディープラーニングを使用して9つの感情(平常・怒り・恐怖・嫌悪・喜び・悲嘆・信頼・興味・驚き)を推定するアルゴリズムだ。
現在、ゲーム内の3Dキャラクターの表情アニメーションは、アニメーターがキャラクターごとに手作業で表情を作成している。そのためキャラクターやセリフが多くなればなるほどアニメーターの工数が発生しコストが高くなる傾向があった。
そこで、「DeepEmo」の提供により、表情アニメーションの制作時間の工数を約95%大幅に削減可能に。従来はアニメーター1人日で2分程度の表情アニメーションを作成しており、1,000分のセリフをアニメーションする場合、500人日の工数が必要だったのが、25人日程度でアニメーション作業を完了することが可能になった。
Empathでは今後、「DeepEmo」をゲーム制作のみならず、メタバースやVtube制作等でキャラクターの台詞から表情を生成するAIとしての使用も想定。クライアントが保有する音声データのみの提供から解析結果を出力する方式に加え、SaaSサービスとしてAPI提供することも検討している。
Top Image : © 株式会社 Empath