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2022.07.01

知財ニュース

日本初、犬の「鼻紋」をAIで解析し個体識別するアプリが登場─迷子犬を特定し飼い主に連絡可能に

東京のスマートベンチャー・株式会社S‘more(スモア)は、犬の鼻の紋様=鼻紋をAIで解析し、犬を個体識別するスマートフォンアプリを開発した。犬の「鼻紋」は一頭ずつ異なり、撮影しスキャンすることで個体識別できるという。アプリβ版が2022年5月21日からリリースされている。

鼻紋認証技術を活用した日本で初めてのサービスで、鼻をスマホでスキャンするだけで犬を特定でき、飼い主に連絡ができるようになる。災害時や迷子時等愛犬家と犬の予期せぬ別れを防ぐツールとして期待され、リリース後3週間弱で5,000頭の登録を達成。現在精度向上のため1万頭の登録を目指し愛犬家に呼びかけている。アプリはネット上で無料でダウンロード可能だ。

【ダウンロードURL】
iOS  https://apps.apple.com/jp/app/nose-id/id1621677938
Android  https://play.google.com/store/apps/details?id=com.smore.noseid

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飼い主がアプリで犬の鼻の動画を撮影し登録しておくと、発見者が犬の鼻を自身のスマホアプリで撮影することで登録済みの犬を照会できる。

鼻紋が一致した場合、発見者と飼い主が個人情報を伏せた状態でメッセージのやり取りもでき、迷い犬は即時飼い主の元に戻ることができる。また、万が一愛犬が迷子になった際には周辺エリアのユーザーに通知することができ、飼い主やサロン・病院等が迷子探しを手伝ってくれる可能性も期待できる。

アプリ登録時には、犬の鼻だけでなく生年月日やワクチン接種状況、既往歴、アレルギー、薬、性格等も入力できる。災害時愛犬と離れて避難する場合や、緊急時第三者に預けるケースでは、預かった方が鼻をスキャンするだけで犬の状況が瞬時に確認できるため早い施術に繋がり安心だ。

鼻紋は人の指紋のように成長しても形が変わらず、牛と同様に鼻紋で個体識別ができ、牛の場合にはブランド牛の認証にも使われている。株式会社スモアは、この個体識別能力に着目し、AIの深層学習(ディープラーニング)を活用し鼻紋を解析することで犬を特定しており、登録が増えれば増えるだけ認証精度が向上する仕組みだ。

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現在広告等は使わず、スモア社のビジョンに共感する飼い主の口コミや店舗の協力だけで5,000頭分の鼻紋データが集まっている。認証率は85%から92%まで向上。今後さらに100%に近づけていくため、当面は1万頭分の鼻紋登録を目標にしている。

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2011年の東日本大震災ではペットがいなくなったという届け出が相次ぎ、飼い主の元に戻ることができたのはわずか12.2%。多くがそのまま行方不明になっているという。毎年全国で約2万5000頭が飼い主不明の状態で愛護センター等で引き取られている。マイクロチップの装着を義務付ける改正動物愛護管理法が施工されたが、情報を読み取る機器があるのは保健所などに限られてしまう。

もっと手軽に特定でき、戻ってくるまでの間、発見者が良心で薬を与えてくれるような、温かいコミュニティを作りたいという開発者の想いからアプリ開発をスタートし、個体識別で情報を手軽に照会できる方法にたどり着いたそうだ。

今後は予防接種状況や健康状態、既往歴のアプリ一元化、動物病院やサロンでの活用をはじめ鼻をスキャンするだけで登録した犬の情報が確認できるようにし、さらには、全国の全ての犬の登録を目指している。そうすることで「迷子」という概念がなくなると開発者は考えている。

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Top Image : ©︎ 株式会社 S’more

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