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2025.04.15

知財ニュース

世界初、塗るだけで針が届くマイクロニードル、タウリン針が皮膚に浸透―コスメディ製薬が開発に成功

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コスメディ製薬株式会社は、2023年にドラッグデリバリーシステム(DDS)の新技術「タウリン結晶マイクロニードル」の開発に成功、同技術を応用した製品を化粧品として上市したと発表した。

また、この「タウリン結晶マイクロニードル」が、経済産業省近畿経済産業局が関西の中小企業が新たに開発した製品・技術等を選定する「関西ものづくり新撰2025」で、健康社会を実現する技術として特別賞を受賞した。2025年2月26日(水)に開催された選定証交付式において、選定証の交付を受けた。

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コスメディ製薬は、TTS(経皮吸収治療)に特化した研究開発を行う、京都薬科大学発ベンチャー企業だ。コア技術として確立した「マイクロニードル」「貼付剤」を強みに、医療・医薬、美容・健康領域で事業を展開している。

cosmed 01 顕微鏡で見たタウリン結晶マイクロニードル

「タウリン結晶マイクロニードル」は、皮膚に存在するアミノ酸の一種であるタウリンを、微細な針状に結晶化し、さらに多重結晶化技術で高分子成分を針に内包させた、世界初の溶解型マイクロニードル成形技術だ。

「溶解型マイクロニードル」は、ヒアルロン酸やコラーゲンなど、皮膚に含まれる水溶性高分子成分を基材とし、皮膚に貼付するとニードルが直接皮膚の内部に入り、溶解するマイクロニードルで、2008年にコスメディ製薬が世界で初めて実用化したもの。

cosmed 02 顕微鏡で見たタウリン結晶マイクロニードル

安全性の高い経皮吸収治療技術として化粧品に応用、高分子成分を角質層まで届ける高度なセルフケアが可能な「マイクロニードル化粧品」を創出した、溶解型マイクロニードルの進化形態が「タウリン結晶マイクロニードル」だ。

これまでの「溶解型マイクロニードル」製品の主流は、目元などの部位に合わせ、マイクロニードルを整列したシート状に成形し、皮膚に貼付する「貼るマイクロニードル」だった。同社は、全顔などの広い部位に使用できる「溶解型マクロニードル」の開発に着手、皮膚に存在する成分であるタウリンを針状結晶化したマイクロニードルの成形に成功した。

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タウリン結晶マイクロニードルを液剤やクリームに安定的に分散させることで、皮膚に塗るだけでニードルが皮膚内に挿入され、皮膚の水分で溶けて、内包成分とともに浸透(角質層まで)するという、世界初のドラッグデリバリーシステム(DDS)を創出した。皮膚への安全性が高く、広い部位に使用できる「タウリン結晶マイクロニードル」は、今後アトピー性皮膚炎治療などの医薬品外用剤への応用を進めていく。

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同社は、「タウリン結晶マイクロニードル」を応用した製品として、2024年4月に『京薬粧 薬用ニードルスキンケアシリーズ』を発売した。「京都から世界へ、革新的なスキンケア技術を届けたい」という想いをブランド名に込めた『京薬粧』は、医薬部外品として承認され、国内外に展開。国内はアフターコロナにおけるインバウンドのニーズを踏まえ、ドラッグストア、バラエティーストアなどの店舗で販売。海外は台湾への輸出を皮切りに、アジア、中東などへの展開を進めていく予定だ。

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Top Image : © コスメディ製薬 株式会社

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