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2025.02.26
知財ニュース
NTT東日本、通信サービス「IOWN APN」を活用した遠隔診療の展示デモを公開―地域ミライ共創フォーラム2025

NTT東日本は、2025年1月21日に開催された同社のイベント「地域ミライ共創フォーラム2025」にて、NTTの「IOWN APN」を活用した「触診ロボットの遠隔操作」のデモンストレーションを公開した。
「IOWN APN」は、低消費電力・大容量高品質・低遅延を特徴とするNTTの通信サービスだ。「IOWN APN」で通信すれば、映像の遅延の違和感がなく遠隔診療でのリアルタイムな診断と治療が実現できるとされている。
今回の展示では、システム化が難しい「触覚」に関連するデモが複数公開された。看護師がおこなった触診を医師がオンラインで遠隔触診する診察を想定した展示もされた。看護師が患者の患部を触診し、患部を触った触覚や圧力や反発などはデジタル信号に変換され、高速通信を介してリアルタイムで遠隔地の医師のもとに送られるシステムが紹介された。
看護師が触診した際の圧力や反発などの触覚情報はデジタル信号に変換され、IOWN APNの低遅延通信(約20ミリ秒)を通じて医師の元へ送られる。医師は、ユカイ工学が技術協力した特別な「触覚伝達(触覚表現)デバイス」を用いて、看護師が感じた触覚を自身でも感じ取ることができるとのこと。
IOWN APNを使用することで、看護師と医師が映像のズレにおいてタイムラグを感じることなく、直感的に触覚の共有が可能になる。医師が看護師に対して触診してほしい部位を正確に指示するため、看護師はARグラスを装着し、医師からの指示が視覚的に表示される仕組みも導入されている。このシステムにより、遠隔地でも医師と看護師がタイムラグを感じることなく、直感的かつ正確な触覚情報の共有と診察が可能となる。
NTT東日本は、2024年11月に世界最高水準となる最大800Gbpsのユーザー拠点間帯域保証型通信サービス「All-Photonics Connect powered by IOWN」の提供を開始している。このサービスは、速・大容量による高精細な映像伝送の実現や、低遅延・ゆらぎゼロによるリアルタイムな操作やコミュニケーションを実現し、映像や操作信号の遅延等が課題である遠隔医療においても活用可能。
人口減少地域での遠隔医療を推進し、医療格差の縮小、医療従事者不足の緩和等の社会的課題の解決に寄与することが期待できるとしている。
また、NTTは同じく11月にIOWN APNを用いてクラウド内視鏡システムの遅延を解消できる実験を実施。150km離れた遠隔地のサーバ上で映像処理を実施しても、内視鏡医が患者に対してリアルタイムな診断・治療が実現可能なことを実証できたと発表していた。
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