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2025.02.21
知財ニュース
行き先をいざなうような「ふしぎな石ころ」公開―村田製作所が万博に向け開発
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歩みを導くような感覚をもたらす「ふしぎな石ころ“echorb(エコーブ)”」。村田製作所が大阪・関西万博のパビリオン提供用に開発したデバイスで、2月14日に行われた記者発表会で先行公開された。
「echorb」は、世界初の技術である3Dハプティクスをはじめ、村田製作所が持つ多様な技術を搭載して開発したデバイス。石形の機器から特殊な振動を発して脳に錯覚をもたらし、引っ張られるような感覚を引き起こす。
パビリオンでは、前や左右に引っ張る、後ろに押し戻す、回転させるなどの感覚をもたらして、来場者をおすすめの展示やアートに誘導する。会場内の「石ころ」が同時に動いたり、互いに反応して光ったりと、来場者に一体感を生み出すこともできるという。
LFアンテナの位置検知やICタグ情報の読み取りもでき、来場者の足跡を記録したり、パビリオン専用アプリと連動してインタラクティブに情報をやり取りしたりが可能。さらに鼓動センサーと連携して、来場者それぞれの鼓動を手元の「石ころ」で再現する。一人ひとりが「石ころ」と共鳴しながらパビリオンを体験できる。
「echorb」が登場するのは、慶応義塾大学教授の宮田裕章氏がプロデューサーを務めるシグネチャーパビリオン「Better Co-Being」。「共鳴体験」にフォーカスし、展示を通じて来場者同士がつながり・響き合う中で、共に未来を描く体験の提供を目指している。共鳴する「石ころ」はそのひとつとして提供する。
デバイスに付けられた「石ころ」の名は、村田製作所の歴史に由来する。創業者が様々な特性を持たせることができるセラミックを「ふしぎな石ころ」と呼び、以来、社会で多様な役割を果たす電子部品の「石ころ」を開発・展開してきたことから、名称に加えたという。
「ふしぎな石ころ“echorb”」もパビリオンでの提供だけでなく、その先に社会実装を目指す。将来的に、視覚に障がいを持つ人向けの誘導デバイスなどへの活用を想定している。
村田製作所「大阪・関西万博」特設ページ
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Top Image : © 株式会社 村田製作所