News

2022.01.26

知財ニュース

鹿島建設が「KTドーム」工法で柱や梁のない大空間ドームを実現―短工期・低コストで高い耐久性を確保

23a1-1

鹿島は、米国ドーム・テクノロジー社との技術提携により、多様なドーム型構造体の構築が可能な「KTドーム工法」を開発した。本工法は、工場製作したドーム型のPVC膜に空気を送り込んで膨らませ、これを型枠として内側からコンクリートを吹き付けることで躯体を構築していくため、施工中に天候の影響を受けにくく、工期の短縮や建設コストの低減が可能になる。

鹿島は、穀物やセメントなどの様々なドーム技術を用いた建設に全世界で700件余りの実績を持つ米国ドーム・テクノロジー社から同技術の紹介を受け、在来工法に比べ、短工期で施工できることを確認できたため技術提携をした。その後、建築基準法に基づいて、吹付けコンクリートを用いた構造の大臣認定を取得し、2020年3月にKTドーム工法を用いたドーム型事務所棟を国内に建設した。

23a1-4

KTドームは、PVC膜が塩害から躯体を守るため沿岸部においても高い耐久性を確保、一年を通じて安定した室内温度を保持、断熱性が高く結露の発生を大幅に抑制、可燃性貯蔵物の発火リスクを大幅に低減、天候の影響を受けにくくスピーディーな施工が可能、貯蔵量に比例して、建物規模が大きくなるほど建設コストが低減するといった特長がある。

28bf4caf-6fc9-4431-b05c-db29d5f9eef5-x2

2020年3月には、国内で初めてKTドーム工法によるドーム型事務所棟を西湘実験フィールドに建設したことから、2021年6月から貯蔵サイロ建設工事に適用し、12月16日には膜の膨張を実施した。その結果、1時間ほどで直径27.5m×高さ28mの大空間が出現。2022年5月にはドーム躯体工事が完了する予定だ。

23a1-3

今後は、サイロ(貯蔵建築物)用途を含むドーム大型化の検討を進めるほか、無柱の大空間を構築できる特長を活かし、体育館やアリーナなどの施設をはじめとする様々な用途の建物の建設に、KTドーム工法を提案していくとのことだ。

プレスリリースはこちら

Top Image : ©鹿島建設 株式会社

広告