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2024.06.26
知財ニュース
ナイキ、生成AIを使用した13種のコンセプトフットウェアを紹介
Nike(ナイキ)は、パリで開催された「Nike On Air」で、この夏に着用するフットウェアとアパレルの新作を披露し、開発の舞台裏やテクノロジーについて紹介した。
その中で、ショーのフィナーレでは、A.I.R.(Athlete Imagined Revolution)と名付けられたプロジェクトを通じて、NikeのイノベーションチームがAIを大胆に駆使して3Dプリントで形にした、13名のアスリートのエアの未来に向けたビジョンを伝えるフットウェアコレクションが紹介された。
「A.I.R.(Athlete Imagined Revolution)」は、Nikeがランニング、フットボール、バスケットボール、テニスで世界的に活躍する13人のアスリートと共同で進める新プロジェクトだ。このプロジェクトでは、各アスリートの未来のビジョンを3Dプリント技術で具体化し、13種のコンセプトフットウェアを開発した。
Nikeのスタッフがアスリートたちとともにチームを結成し、最先端のデザインツールを駆使しながら、想像力豊かに未来のプロダクトを構想。Nikeを象徴する革新的な技術「ナイキ エア」を中心に据えることだけをルールとし、エア技術の新しい可能性を感じさせるコレクションをつくり上げた。
ディーデ・デ・グロート(車いすテニス):車いすに乗ったままでもを楽に着脱できるシューズ。
プロジェクトのプロセスでは、⽣成AIや数式、処理を組み合わせるツールを活⽤した⾼速成形により、アスリートひとりあたり数百ものイメージを作成し、デザインプロセスをスタートさせたのだという。
アスリートの意⾒をプロンプトやアルゴリズムに⼊⼒することで、それぞれのアスリートについて何百もの基本的形状と、彼らのビジョンを具現化する数々のインスピレーションが⽣まれた。これらをもとに候補となる何百ものシューズの形を検討しながら、各チームはコンセプトを3つに絞り込み、アスリートとともにデザインをさらに磨き上げた。
鄭欽文(テニス):コイル状のエアユニットが蛇のように前足と中足部分に巻き付く。
生成AIを用いて膨らませたイメージを、伝統的な手描きスケッチのほか、没入型3Dスケッチやコンピュテーショナルデザインなど、さまざまなデザイン手法を活用して、13種のフットウェアデザインへと落とし込んだ。また、高速プロトタイピングにより、サンプルの微細な欠陥を即座に改良することも可能となったとのこと。
フェイス・キピエゴン(陸上):天候の急変にも力を発揮し、凹凸の大きなアウトソールは悪天候でも泥が落ちやすいデザイン。
Nikeのチーフイノベーションオフィサーであるジョン・ホークは、「Nikeのデザイナーがアスリートとの関係に基づいて創造できるスピードと正確さは、これまでにないものであり、驚きを感じます。そのすべてが新しいテクノロジーによって強化されており、イノベーションのスーパーサイクルが始まっています」と、同プロジェクトについて語っている。
Top Image : © ナイキ
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