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2021.11.03

知財ニュース

ダイキンと京セラ、「パフォーマンス向上起床システム」の効果を検証─目覚まし時計よりも脳が活性化

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ダイキンと京セラは、共同研究を行っている「パフォーマンス向上起床システム」が一般的な目覚まし時計との比較実験において、起床時における「脳の活性度」と「快適さ」の効果の有意性を確認したと発表した。

パフォーマンス向上起床システムは、柔らかな空気刺激と自然光に近く生体に優しい光によって目覚めを提供する。空気刺激は、ダイキンが持つ空気の渦輪(うずわ)制御技術を活用。サーモセンサーで人の顔を検知・追尾し、渦輪と呼ばれる環状の空気を一定のリズムで顔に当てて「ふわっとやさしく頬を撫でられる」ような感触の空気刺激を送る。光には、京セラのLED照明「CERAPHIC®」を使用。紫色LEDとRGB蛍光体調合技術により自然光に近い光が点灯することで、快適な目覚めを促す。

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ダイキンと京セラがパフォーマンス向上起床システムの共同研究を開始したのは2020年9月。脳の前頭葉が活性化すると、頭が冴えて高いパフォーマンスが発揮でき感情もコントロールしやすいという、東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授の研究などを基に、良い目覚めが健康的な日中の活動と夜の安眠につながると考え開始した。本システムの効果検証は川島教授も含めて共同研究を進め、比較実験も共同で実施した。

実験では東北大学の学生20名を被験者とし、起床時に本システムが与える効果について、一般の目覚まし時計と比較検証した。効果測定は、前頭葉の脳血流量と認知機能テストといった客観的な検査と、起床時の快適さや気分などの主観的なアンケート検査の両面で行った。

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結果、脳血流量では酸素と結合したヘモグロビン量で本システムの有意性が見られ、起床時に行った認知機能テストでも処理速度や注意機能の統計的な測定で有意な差が見られた。アンケート結果でも、起床時の「快適さ」や「起こし方の好ましさ」等で評価が高かったという。実験結果を受け京セラは、テクノロジーの国際展示会である「CEATEC 2021 ONLINE」の同社ブースへ、本システムの試作機を参考出展した。

ダイキンと京セラは今後、市場のニーズを捉えながら、パフォーマンス向上起床システムの実用化に向けて検討を行っていくという。

ダイキンのニュースリリース
京セラ CEATECスペシャルサイト

Top Image : © ダイキン工業 株式会社

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