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2024.07.18

知財ニュース

ホンダとソフトバンク、新東名高速道路でセルラーV2X活用による事故リスク検証完了

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ソフトバンクは、本田技研工業および本田技術研究所と共に、セルラーV2Xを活用した車両や交通インフラの情報連携で事故リスクの予測と通知を行うユースケースの検証を、2024年6月に完了したことを発表した。

同検証は、中日本高速道路(NEXCO中日本)が新東名高速道路の建設中区間で行っている「高速道路の自動運転時代に向けた路車協調実証実験」の一環で実施したもの。

今回は、高速道路を二輪車が走行している環境で、運転手の不注意などで急な車線変更を行った際に、周囲の車両にリスクが及ぶシーンを想定して検証が実施された。

具体的には、二輪車(コネクテッドカー)とその前方を走行する車両(非コネクテッドカー)との車間距離が小さくなっていく場合に、二輪車が隣接車線の後方の車両(コネクテッドカー)を見落としたまま車線変更を行うことで、二輪車と隣接車線後方の車両との衝突、または隣接車線後方の車両の急制動などのリスクが発生するケースを想定。

これらの状況に対して、LTEや5G(第5世代移動通信システム)のセルラーV2Xを活用することで、運転手の行動を予測し、行動前に適切な情報通知を行ったという。

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今回の検証では、セルラーV2Xを活用して、コネクテッドカーや高速道路に設置されている路側センサーから得た周辺の車両情報を集約し、デジタルツインで再現することで、数秒先の行動を予測して事故リスクを検知するとともに、情報をコネクテッドカーへ通知することに成功。事故リスクを適切なタイミングで通知することで、コネクテッドカーや二輪車、非コネクテッドカーなどの多様な車両が走行する環境でも、運転手が事故を未然に回避して安全に運転できることを確認できたことになる。

かねてから指摘されてきた、情報連携プラットフォームにおいて粒度や精度、形式などが統一されていないという課題については、情報連携プラットフォーム上でソフトバンク独自の補正・ひも付けロジックを適用することで、各交通参加者の位置を一意に特定可能なデジタルツインをリアルタイムに生成。

これにより、コネクテッドカーと路側センサーで二重に観測されたデータを適切に統合し、現実と同様に物体を認識することを実現したという。

次世代モビリティーの実用化に向けた取り組みが加速する中、セルラーV2Xなどの通信技術を活用して、人や自動車などの交通参加者と道路などの交通インフラがリアルタイムかつ相互に情報のやりとりを行うことへの期待が高まっている。特に交通事故における死亡者は、二輪車を含めた交通弱者が7割を占めている。ソフトバンクとHondaは、「今後も交通弱者に関わる事故を未然に防ぐための技術要件の抽出や課題の発掘を行う技術検証に取り組んでいく」としている。

プレスリリースはこちら

車と交通インフラの情報連携による安全安心な交通の実現(ソフトバンク)

Top Image : © ソフトバンク 株式会社

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