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2023.05.10
知財ニュース
伊藤園、顔認証で飲料購入できる自動販売機を5月中旬より展開─NECの顔認証技術を活用
伊藤園は4月24日、顔認証で飲料を購入できる「顔認証決済対応自動販売機」を2023年5月中旬から展開すると発表した。日本電気(NEC)が手がける自販機の「顔認証決済サービス」を導入して行う。
「顔認証決済サービス」を利用する際は、スマートフォンで顔画像やクレジットカード情報、認証パスコードなどの事前登録を行う。購入時は、商品選択後に自販機に取り付けられたタブレットのカメラで顔認証を行い、その後パスコードを入力すると商品が受け取れる。何も持たずに手ぶらで飲料を買える仕組みだ。
用いる顔認証技術は、NECが開発した生体認証「Bio-IDiom (バイオイディオム)」の中核をなす技術で、世界No.1を獲得した認証精度を有する。サービス導入にあたりNECは、顔認証決済を行うためのクラウドサービスと、顔認証決済アプリを搭載したタブレット端末を提供する。サービスは、新設自販機への取り付けだけでなく既存自販機への後付けも可能だ。
利便性や衛生面に優れたキャッシュレス決済は、外部環境の変化もあり、ここ数年で大幅に増加している。経済産業省によると、22年のキャッシュレス決済比率は36%(決済額111兆円、18年比較で+11.9ポイント)で、過去最高を更新したという。
伊藤園は、そうした「現金を使わずに支払いを済ませる方法」の多様性の広がりと、オフィスや工場などで活用が拡大している顔認証技術に着目。工場や病院、オフィスなど、親和性が高いと考えられるロケーションに対して、「顔認証決済サービス」を導入した自販機を展開していく方針だ。
同社はこれまでも、キャッシュレス決済に対応した自販機や、健康に配慮した製品を充実させた「ウェルネス自販機」など多様な自販機を展開してきた。今後は「顔認証決済対応自販機」の導入を通じてDXの取り組みを強化し、さらなる利便性の向上につなげるという。
NECは、伊藤園を皮切りに飲料事業者に対して導入拡大を図る方針。今後5年間で5,000台の自販機への導入を目指すという。
Top Image : © 日本電気 株式会社