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2023.12.29

知財ニュース

人間介さず攻撃を行う「第3の軍事革命」AI兵器、国連総会で禁止呼びかけ─日米など152カ国賛成、規制に向け前進

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国連総会は2023年12月22日の本会議で、AIを使って人間の関与なしに攻撃を行う「自律型致死兵器システム(LAWS)」に対し、国際的な“対応が急務”とする決議を採択した。総会本会議でのLAWS関連の採択は初。決議ではグテレス国連事務総長に対し、各国の見解を取りまとめて総会に報告するよう要請した。

決議案はオーストリアが提出。日本や米国などの先進7カ国(G7)を含む152カ国から賛成を得た。ロシア、インド、ベラルーシ、マリの4カ国が反対。中国や北朝鮮、イスラエル、イランなどの11カ国が棄権した。

オーストリアは、2023年11月にも国連の第1委員会(軍縮)へLAWSに国際人道法が適用されるかを確認する決議案を提出。164カ国から賛成を得て採択されており、それに次ぐ決議提出となった。

LAWS_sub1 イメージ画像:令和3年版防衛白書より ―トルコ製UAV「バイラクタル TB2」

LAWSは、人間の判断を必要とせず、AIが自律的に目標を設定して攻撃を行う。実用化されれば、火薬や核兵器に次ぐ「第3の軍事革命」になるとも言われている。民間人を巻き込んだ誤爆やAIの暴走などの懸念もある。最近では、紛争地域などが実験場として使われ技術開発が進んでおり、実用化される可能性が高まってきている。

決議では、AI兵器に対しても国連憲章や国際法が適用されることを確認し、新たな軍拡競争や紛争が起きる危険性や、テロリストなどへ拡散する懸念を表明した。またグテレス事務総長に対し、LAWSの課題に関する加盟国各国の見解を取りまとめ、2024年9月に始まる次期会期に報告書として提出するよう求めた。

グテレス氏は2023年7月に提言書を提出し、2026年までにLAWSに関する法的枠組みを加盟国に採択するよう提案。その中で、AIが搭載された兵器を禁じることや、安全保障リスクの軽減に向けた国際機関の開設を検討するよう呼びかけている。一部加盟国からの反発もある中、今後の動向が注目される。

関連情報・「自律型致死兵器システム(LAWS)について」外務省
「令和3年版防衛白書」

Top Image : © pixabay

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