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2023.05.22

知財ニュース

三菱電機、カメラ映像とAIを用いてドライバーの体調異常を検知する技術を開発─2025年以降の製品化へ

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三菱電機株式会社は、運転中のドライバーのわき見や居眠りを検知する「ドライバーモニタリングシステム(DMS)」のカメラを活用し、脈拍や血圧などの変化からドライバーの体調異常を検知する技術を開発した。

今回開発された技術は、「ドライバーモニタリングシステム」のカメラ映像により、ドライバーの生体情報(脈拍数、脈拍間隔、脈の強弱、血圧の変化)を非接触でセンシングし、姿勢崩れが伴わない場合でも意識消失などの体調異常を検知するもの。独自開発のAIが複数の生体情報を推定し、同社のAI技術「Maisart(マイサート)」が体調異常発生を検知する。

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国内では、「心疾患」「てんかん」「脳血管疾患」が健康起因交通事故の三大要因となっており、ドライバーの意識消失などの体調異常が死亡や重症事故に繋がりうることから、ドライバーの体調異常による事故の予防が急務となっている。しかし、体調異常を検知する技術は、「ドライバーモニタリングシステム」のカメラ映像で体調異常時の姿勢崩れを検知する技術は存在したが、ドライバーが運転姿勢を保ったまま意識を消失する場合への対応策が課題となっていた。

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こういった課題を見据え、同社は今回、独自AIの活用により、「ドライバーモニタリングシステム」のカメラ映像から非接触でドライバーの生体情報(脈拍数、脈拍間隔、脈の強弱、血圧の変化)を推定して、その生体情報の変化から、姿勢崩れが伴わない場合でも体調異常を検知する技術を開発した。姿勢崩れを伴わない場合や、体調異常発生による姿勢崩れが起こる前にドライバーの異常を検知し、事故回避行動の早期実施が可能となった。

なお、ドライバーの体調異常を検知した場合は、車両安全システムが路肩へ停車を行うなど、死亡や重傷リスクの高い事故を未然に防止し、安心安全の社会の実現に貢献する。

同社では今後、大学病院と連携して患者データを蓄積し、実車走行での検証・評価の改善を進め、2025年以降の製品化を目指すとしている。

ニュースリリースはこちら

「三菱電機の次世代DMSが未来を創る」(開発者インタビュー)

「搬送用ロボット(AMR)サービス by 三菱電機」知財記事

Top Image : © 三菱電機 株式会社

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