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2025.09.17
知財ニュース
落とし物をメルカリで再販、廃棄されていた満期遺失物を再販する「findリユース」事業を開始

「落とし物クラウドfind」を提供する株式会社findは、鉄道会社や百貨店などの商業施設で発生する「満期遺失物」を再販可能なリユース品として活用する新サービス「findリユース」をローンチした。
同サービスは、鉄道会社や百貨店などの商業施設で持ち主が現れなかった「満期遺失物」をメルカリなどのプラットフォームで再販し、循環させることで廃棄コストを削減、収益を生み出すというもの。
拾得から3ヶ月が経過し、持ち主が見つからなかった落とし物は、これまでは施設側が廃棄費用や人件費を負担して処分されたきた。例えば、ある百貨店では毎月約600件もの落とし物が廃棄対象となっている。
「findリユース」は、そうした廃棄予定の落とし物を無償または有償で引き取り、個人の特定ができない良質なものを選別・検品した上で、メルカリShopsのfind公式ショップ「find shop」などを通じて再販売する。販売で得られた収益は、手数料を除いて拾得施設に還元されるため、施設側は廃棄コストの削減だけでなく、新たな収益源を得られるというメリットがあるという。
同サービスは、「シェアモデル」と「買取モデル」の2つの導入プランを提供。「シェアモデル」では、企業は満期遺失物を無償で提供し、販売粗利の20%を受取。「買取モデル」では企業は満期遺失物をfindに有償で提供し、販売収益はfindが取得するが、企業は即時に換金でき、安定した収益を確保できる。
実際に、スニーカーが5,000円、アクセサリーが3,000円、充電器が2,500円で再販されるなど、多様なアイテムが取引されており、これまでに400点以上が出品されているという。
ある百貨店では、月10万円かかっていた廃棄費用が、findリユース導入によって2万円の収益に転換され、実質12万円の経済効果を創出。さらに、メルカリの研究組織「R4D」の算出によると、同サービスによって生まれたCO2削減貢献量は1272.8kgにも達し、環境保護にも大きく貢献しているという。
北大阪急行電鉄や東急プラザ、渋谷スクランブルスクエアなど、多くの施設がこのサービスを導入し、落とし物の管理業務効率化、顧客満足度向上、そして持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいる。
「findリユース」は企業の廃棄コスト削減と収益化を両立させ、さらに環境負荷の軽減にも貢献する、「捨てずに活かす、ちょっといい未来へ」を実現する革新的なサービスとして期待が集まっている。
Top Image : © 株式会社 find