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2024.01.09
知財ニュース
芝浦工業大ら、川のせせらぎ音が集中力を向上させる可能性を発見─三菱鉛筆ら実証実験
芝浦工業大学は、同大学情報工学科・菅谷みどり教授らの研究チームが、三菱鉛筆株式会社、ストーリア株式会社と共同で、学習中に「川のせせらぎ(River Sound)」音を流すことで集中力を表す脳波が上昇することを確認したことを発表した。
本実証実験は、学習時の集中力が低下してきたタイミングにおいて、視覚や聴覚を通じた刺激が集中力を維持させ、学習を効率的に行えるのではないかとの仮説に基づいて行われたもの。
視覚や聴覚などの異なるタイプの刺激を被験者に与え、集中力がどのように変化するかを比較検証した。
その結果、背景音として、「川のせせらぎ(River Sound)」を流すことで実験タスクの正答率が向上する傾向が見られたという。今回、環境光よりも、背景音、特に聴覚刺激である「川のせせらぎ」音が、正答率を維持する影響があることが分かったとのこと。
同実験の結果を応用することで、個人の勉強だけではなく、授業の最適化や日常作業の効率向上につながることも期待される。さらに、集中力の維持を個人の努力に委ねるのではなく、状況に合わせて自動的に集中力を維持、向上するようなサービスへの展開が期待される。
菅谷みどり教授は、「人と環境の関係はまだ十分明らかになっているとは言い切れず、様々な評価を通して人の適応状態や感情を明らかにすることは重要な意義がある。引き続き、我々は社会に貢献する研究開発を推進していきたい」とコメントしている。
同論文は、IoTに関する技術を議論する国際会議、APRIS(Asia Pacific Conference on Robot IoT System Development and Platform)2023に採択されている。
Top Image : © 芝浦工業 大学