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2025.03.26
知財ニュース
JR西日本、世界初の3Dプリンター製の駅舎を建設―JR紀勢本線に導入、史上初の駅舎事例に

JR西日本、JR西日本イノベーションズ、セレンディクスの3社は、老朽化が進む和歌山県のJR紀勢本線初島駅舎の建替えに伴い、かねてから進めてきた建設用3Dプリンターを活用した駅舎建設を実施する。3Dプリンティング技術を用いた駅舎建設は世界初の事例。
新駅舎は、広さ約10平方メートル弱を予定。建物の基礎部分を含めた外形は、最新の3Dプリンター技術を用いて出力する。パーツは、出力後に必要な補強を施した上で、現地に運び込まれる計画だ。
現地では、クレーンを使ってパーツを組み上げ、接合して駅舎を完成させる。作業は、夜間の終電から始発までの約6時間で行う予定で、従来の工法(鉄骨造や鉄筋コンクリート造)に比べて大幅な工期短縮が見込まれているという。
3Dプリンターで作られた駅舎は、鉄筋コンクリート製のため、耐久性に長けていて腐食にも強いのが特徴。また、従来のプレキャスト工法と違い型枠を使わないため、自由な造形のデザインが可能。外装デザインは地域の特色を取り入れ、地元の人々に愛されるデザインを目指していく。
3社は今後、同プロジェクトの建設費用や維持管理費用を詳しく検証し、他駅への展開の可能性も検討していきたい考えだ。
Top Image : © 西日本旅客鉄道 株式会社