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2024.02.19

知財ニュース

パナソニック、CO2で野菜の成長を刺激する成長刺激剤「Novitek(ノビテク)」を開発─収穫量増加、脱炭素に貢献

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パナソニックホールディングス株式会社とパナソニック環境エンジニアリング株式会社は、二酸化炭素(CO2)を利用し、野菜の成長を刺激する「Novitek(ノビテク)」を開発した。2024年度内の販売を目指す。

今回開発された「Novitek(ノビテク)」は微生物の働きに着目した独自技術により、空気中の二酸化炭素(CO2)を活用しながら野菜の成長を刺激できる液体だ。農作物に直接吹き付けることで、収穫量や免疫力の向上、安定生産を実現。脱炭素と食糧生産性向上の両方に貢献するとしている。

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具体的には、「葉緑体が二酸化炭素(CO2)と水から成長に必要な栄養分を生み出す」反応を利用して生み出された、光合成代謝を活性化する成長刺激剤だ。野菜や果物の葉っぱに吹き掛けると、収穫量が最大50%近くも増えるといい、CO2を利用し、農産物の成長を促す。

CO2を大気中から確保する限り、原材料としてのコストはかからない。通常、収穫増を目指す場合に環境制御設備に多大なコストのかかる植物工場とは、一線を画すのだという。

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この成長刺激剤「Novitek(ノビテク)」の製造には、光合成微生物の一種であるシアノバクテリアが使用されている。葉緑体のように光合成を行うことは知られているが、それが植物の成長を促す働きにつながることはこれまで知られていなかった。

シアノバクテリアが葉緑体に進化する過程を突き詰めていく中で、植物の成長を刺激する成分を発見した。この進化する過程で、最外層を覆う外膜の構造・機能に変化が見られることが分かった。その結果、明らかになったのは、外膜が剝がれると細胞内の成分が外に自然と漏れ出す、という現象だ。この成分は、シアノバクテリアが主にCO2と水を基に生み出すものなのだという。

並行し、シアノバクテリアが生み出した成分や剝がれた外膜の膜脂質だけを抽出する装置が開発されており、この装置はシアノバクテリアとそれが生み出した成分を手早く分離できるため、抽出コストを抑えることができるとのこと。

シアノバクテリアが生み出す成分は、植物の光合成代謝を活性化する機能を備えているということが明らかになってきており、現実の栽培環境で農産物の成長促進効果を検証。収穫量の増加や糖度の向上が観察されている。これらの効果をさらに確認するため、農家での効果検証が展開されている。

量産化に向けた技術開発では、光の当て方や光源の種類など、さまざまなパラメータを変えながら培養試験を繰り返して大容量タンク内での光合成を可能にした。現段階の価格想定からすれば、費用対効果は高いとみている。

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「Novitek(ノビテク)」開発に携わるパナソニックホールディングスの児島氏は、「シアノバクテリアが光合成で生み出した成分や外膜の膜脂質を成長刺激剤として活用する技術は、すでに確立されました。その効果は品目ごとにバラツキがあることも分かってきました。今はそれを踏まえながら、どの農産物を主な対象にすべきか、販売方針を固めている段階です。」と述べている。

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20240214 news06 05 「Novitek」実用化に向けたロードマップ

公式サイト「Novitek(ノビテク)」

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Top Image : © パナソニックホールディングス 株式会社

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