News

2023.09.08

知財ニュース

積水ハウス、住宅メーカー初の「水素住宅」を発表、25年実用化へ─電力を自給自足、CO2排出量ゼロ

積水ハウス

積水ハウス株式会社は、太陽光発電による再生可能エネルギーの電力を用い、自宅で水素をつくり住宅内の電力を自給自足する住宅メーカー初(※同社調べ)の水素住宅の2025年夏の実用化を目指し、2023年6月から実証実験を開始した。

持続可能な社会の実現のため、太陽光発電(再生可能エネルギー)の電力による水素の製造や、水素を用いた燃料電池による発電においてもCO2が一切発生しない、日常生活におけるゼロカーボン化と電気の自給自足の実現を目指す。

日中は自宅の屋根の太陽光発電パネルでエネルギーをつくり消費する。太陽光発電の余剰電力で水を電気分解して水素をつくり、水素を水素吸蔵合金(※水素を可逆的に吸収・放出することができる合金)のタンクで貯蔵。雨の日などの日射不足時や夜間は、貯蔵した水素を利用して燃料電池で発電する。

prw PI3im oOZJ04vh

本実証実験で使用する水素吸蔵合金は、高圧ガス保安法の適用外、消防法上の非危険物であるため、広い範囲での導入が期待できるという。

また、水素吸蔵合金は、蓄電池と比べてエネルギー密度が高く自然放電がないため、大容量かつ家庭用カセットボンベのように長期保存ができる点に優位性があるという。高圧ガスタンクなどと比較してコンパクト設計となるため住まい手に合わせた提案も期待できるとのこと。

prw PI2im G9VCXucV

水素住宅の実現は、家庭使用電力の自給自足や環境負荷低減への貢献、建物のレジリエンス性の強化など幅広い可能性を含んでおり、大きな注目を浴びている。

同社は、戸建住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス※1)比率が2022年度に93%、賃貸住宅「シャーメゾン」の住戸ZEH比率65%、分譲マンションの住戸ZEH比率88.8%となるなど、環境性能の向上に業界に先んじて取り組んできた。

(※1 外皮の断熱性能等の向上や、高効率な空調・給湯・照明器具等の導入による省エネで使用エネルギーを減らしながら、太陽光発電パネル等の再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロ以下とすることを目指した住宅のこと)

水素住宅は、運用時におけるCO₂排出量はゼロで、電気や熱を取り出せるため環境負荷低減にも貢献する。また、災害等非常時でも自宅で暮らし続けられ、建物のレジリエンス性を強化できるとのこと。

現在のZEHの仕組みに新たに水素の利活用を組み込むことで環境性能や利便性、レジリエンス性等を向上させることが期待できるとし、同社では「“わが家を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンのもと、ESG経営のリーディングカンパニーを目指し、持続可能な社会の構築に貢献していく」としている。

プレスリリースはこちら

Top Image : ©積水ハウス 株式会社

広告