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2025.03.18

知財ニュース

MTAとGoogle、NY地下鉄にPixelスマホ設置―AIで線路の欠陥をリアルタイム検出

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ニューヨーク都市交通局(MTA) は、Google Public Sectorと提携し、ニューヨーク市の地下鉄車両にGoogleのPixelスマートフォンを設置し、線路の潜在的な欠陥を検出する実験を行った。この実験は、Googleが開発した実証済みの「TrackInspect」プロトタイプの成功を基にしたプロジェクトだ。

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「TrackInspect」は、Google Public SectorがMTA専用に無償で開発した概念実証プロトタイプとして始まったものだ。センサーハードウェアと高度なクラウドおよび人工知能(AI)機能を統合して、潜在的な線路の問題を検出する。

このプログラムでは、Pixelスマートフォンが地下鉄車両に設置され、内蔵センサーと外部マイクを使用して微妙な振動や音のパターンを検出した。収集されたデータはクラウドベースのシステムにリアルタイムで送信され、AIと機械学習アルゴリズムによって予測的洞察が生成された。

また、「TrackInspect」は3億3500万件のセンサーの読み取りデータ、100万件のGPS位置情報、1,200時間の音声データを収集。収集されたデータはニューヨーク市交通局の線路異常データベースと統合され、機械学習モデルの訓練に使用され、異常検知の精度向上に寄与する。この技術は、人間の検査員が後に発見した欠陥箇所の92%を事前に特定することに成功した。

ニューヨーク都市交通局は、強化されたデータ分析によって問題の特定と解決が迅速化され、鉄道の信頼性が向上することが示されたとしている。

これらの技術を併用し、軌道の潜在的な問題を見つけて診断することで、コスト効率を高く、より迅速かつ正確に軌道の修復プロセスを行うことが可能になる。線路の問題をより早く発見し、修正することで、列車の遅延が減り、毎日の何百万人もの乗客にとってよりスムーズなサービスを実現することができるのだという。

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Top Image : © ニューヨーク都市交通局

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