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2022.01.04
知財ニュース
蒸留酒の樽の中身をNFT化―樽を100分割したNFTで簡単に所有・収集・取引が可能に
高級酒類の輸出入を行う株式会社ジャパンインポートシステムと、ブロックチェーンシステム開発を行う株式会社レシカは、蒸留酒の樽をスマホ1つで売買、保有、管理できるサービス「UniCask」を運営する株式会社UniCaskを合同で設立。2021年春より、ウイスキー樽をNFT化し、簡単に管理・取引ができるサービスを業者向けに提供してきたが、今回1樽の中に含まれる蒸留酒を小口化し、「CASK NFT」として広く一般への販売を開始すると発表した。
今まで、蒸留酒を樽で保管したままでの売買・保有などは、限られた地域やコミュニティでしか行われておらず、また従来のアナログな管理方法では、樽ごとの所有権の証明や移転登記が複雑なため、グローバルな流通もほぼ行われていなかった。
そんな課題を解決し、蒸留酒の樽の所有権を民主化することを目的として誕生したのが「UniCask」というサービス。樽をNFT化することで、複雑だった樽の所有権の証明および移転登記、オンラインでの売買履歴の管理などを容易にし、蒸留酒樽の売買・保有・管理がスマートフォンひとつでできるようになった。
これまで「UniCask」は業者向けに提供していたが、今回一般向けに第1弾として販売されるのは、シングルモルトスコッチウイスキー スプリングバンク1991年 ビンテージ。この樽の中身が100口に分割され、100分の1に対応する「CASK NFT」が「Genesis Cask」という名で100個販売される。
なお、「Genesis Cask」は、仮想通貨イーサリアムもしくはクレジットカードで購入可能。イーサリアムで購入の場合は12月15日より、クレジットカードの場合は12月16日より購入できる。「Genesis Cask」を購入しても20年保有し続けるだけではなく、唯一無二のデジタルデータであることを証明するNFTの特徴を生かし、NFT1つ1つにトランプの絵柄と数字を付与することで、NFTを用いてトランプゲームができるように設計されている。
NFTの各所有者はこれを用いてUniCaskで開催されるゲームに参加することが可能。現状では、“テキサスホールデム”の大会がトータル2ゲーム開催予定で、勝者は希少な蒸留酒のサンプルを獲得できる。これは、ユーザーが樽を保有している最中にも楽しめるようにと、設けられた仕組みだという。
Top Image : © 株式会社 UniCask