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2025.01.23
知財ニュース
JR西日本、「QRチケットサービス」提供開始―磁気きっぷは2028年からQR移行

西日本旅客鉄道(JR西日本)は1月19日、QRコードで乗車できる「QRチケットサービス」を開始した。京都、大阪、京橋、JR難波、天王寺など、近畿圏在来線の主要駅から提供を始め、3月中旬以降、関西空港を含む周辺エリアに拡大する。
1日乗車券や旅行会社提供商品などの企画乗車券向けサービスとして開始し、4月に開幕する「大阪・関西万博」訪問客の利用も見込んでいる。その先にチケットレス化の推進も想定。2028年以降、券売機で販売している磁気近距離きっぷを順次QRチケットに移行する。
「QRチケットサービス」は、「KANSAI MaaS ワンデーパス」、「大阪スマートアクセスパス」、海外旅行会社が扱う「WEST QR はるか片道きっぷ」(仮称)が対象となる。
購入時に発行されるQRコードを自動改札機のリーダーにかざして入出場が可能。改札機にQRリーダーが設置されていない場合は、改札機付近に貼られたQRコードを読み込み、画面を係員に提示して通過する。
「KANSAI MaaS ワンデーパス」と「大阪スマートアクセスパス」は、複数路線を利用できる企画乗車券で、「QRチケットサービス」の開始に合わせ、期間限定で販売する。「KANSAI MaaS」は、関西エリアの主要路線を持つ鉄道事業者7社が連携して提供するアプリで、今回そのサービスの一環で企画乗車券を提供。いずれもオンラインで購入できる。
「KANSAI MaaS ワンデーパス」では、JR 西日本、OsakaMetro、近鉄、京阪、南海、阪急、阪神の7社の路線を1つの QR コードで1日乗り降り可能。2025年2月27日~3月27日の期間で利用でき、価格は3,000円。
「大阪スマートアクセスパス」は、Osaka Metroや JR大阪環状線・JRゆめ咲線沿線の観光などに使える1日乗車券。大阪~新大阪間を含み、新幹線からアクセスしやすい。価格は1,200円で、2025年1月19日~10月31日まで利用できる。
JR西日本は、大阪・関西万博に向け、引き続き関西民鉄と連携してサービスを推進。訪日客向けも含め、QRチケットによる企画乗車券の販売を強化する。その後、磁気きっぷのチケットレス移行を経て、将来的にはインターネットで購入したきっぷのQRチケット化も想定している。
また同社は2025年春に、NFCタグとQRコードを活用した決済サービス「Wesmo!」の提供開始を予定。駅・周辺施設を含む、鉄道インフラを用いた新たなエコシステムの構築が期待されている。
Top Image : © 西日本旅客鉄道 株式会社