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2025.05.16

知財ニュース

スペインのナバーラ州立大学、手で直接触れるホログラム技術「FlexiVol」を開発

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スペインのナバーラ州立大学は、手で操作できる体積型ディスプレイ「FlexiVol」の開発に成功したと発表した。研究論文はHALで公開されている。

「FlexiVol」は、ヘッドセットやメガネを着用することなく、3D映像を表示し、手で触れることができる。ディフューザーと呼ばれる高速で上下に振動するシートに投影され、視覚の持続性により、異なる高さにあるディフューザーに投影された画像が立体として知覚される。

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これはVolumetric Display(体積型ディスプレイ)技術と呼ばれ、Voxon Photonics社やbrightvox社などによって商用プロトタイプとして既に存在しているが、このディフューザーは通常硬質のため、振動中に手に触れると破損したり、怪我をしたりする可能性があるため、手で触れることはできなかったのだという。

「FlexiVol」は、硬質ではなく、弾性ディフューザーを採用し、この弾性ディフューザーが上下に振動し、そこに毎秒2,880枚の画像が投影されることで立体映像が表示される。これにより、ユーザーはこの仮想オブジェクトを自然に掴み、操作ができる。例えば、人差し指と親指で立方体を掴んで動かしたり回転させたり、人差し指と薬指を使って地面の上を歩く動作をシミュレートしたりすることが可能になる。

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研究チームは、4月26日から5月1日まで横浜で開催される「CHI 2025」で本研究を発表する。このイベントには4,000名以上の研究者が参加すると見込まれている。Microsoft、Meta、Apple、Adobeなどの企業が参加し、インタラクティブ技術とデバイスにおける最新の進歩について発表される予定だ。

プレスリリースはこちら

研究論文はこちら(HAL)

Top Image : © ナバーラ州立大学

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