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2025.03.03
知財ニュース
京都大学ら3者が開発、生成系の仏教対話AI「ブッダボットプラス」―英語版がブータン王国仏教界に導入

2025年2月3日、京都大学「人と社会の未来研究院」教授の熊谷誠慈研究室と、株式会社テラバース、ブータン王国中央僧院の3者が同大学において記者会見を行い、生成系仏教対話AI「ブッダボットプラス」の英語版がブータン王国仏教界に導入されることを発表した。
「仏教対話AI「ブッダボット」は、現代人の悩みや社会課題に対して仏教的観点から回答する仏教対話AI。
同システムでは、仏教の経典を学習しているAIブッダと会話ができ、人生相談から社会問題まで様々な質問にわかりやすい言葉で答えてくれる。
Googleの提供する「BERT」というアルゴリズムを応用し、最古の仏教経典『スッタニパータ』から抽出したQ&Aリストを機械学習させた結果、精度には課題があるものの、ユーザーからの質問に対して文章の形で回答できる状態になった。
ブータン王国中央僧院より、同国の仏教界へのブッダボット導入の公的要請を受け、同国仏教界での使用に向けたシステム開発、並びに、運用に向けた議論を開始することになった。加えて、同国市民への一般公開の可能性についての議論も開始する予定。
国民の7割以上が仏教徒であるブータン王国は、若者の仏教への興味が失われていくことを危惧し、今回の導入を決定。
今後はブータン王国の僧侶が英語版のAIを試用し、国民の一般利用に向けて正誤性やリスクが検証される。
Top Image : ©京都大学