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2025.07.22
知財ニュース
空飛ぶクルマを開発するSkyDrive、スズキ、JR東日本、JR九州などから総額83億円の資金調達の実施を発表

株式会社SkyDriveは、株式会社三菱UFJ銀行をリード投資役の1社とし、スズキ株式会社、JR東日本、JR九州をはじめとする11社を引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズDラウンドにおいて総額83億円の資金調達を実施したことを発表した。これにより、これまでの累計資金調達額は430億円超となった。
株式会社SkyDriveは2018年に設立した企業で、空飛ぶクルマの開発やドローン関連サービスの提供を行っている。空飛ぶクルマの商用化に向けて不可欠である型式証明取得に向けた活動を進めており、2025年2月には同社の空飛ぶクルマ固有の耐空性および環境基準の詳細が記載された型式証明の適用基準が国土交通省航空局より発行された。空飛ぶクルマは、2025年4月、大阪・関西万博会場内での公開デモフライトに成功。また、国内外でのプレオーダーは7カ国380機超に達し、事業のグローバル展開も加速している。
現在は、今後の試験の内容や実施時期などを含む証明計画の策定を進めている。航空局と証明計画を合意した後、その計画に沿ってさらに地上試験や飛行試験を重ねていく予定だ。今回の資金調達を通して、開発チームのさらなる増強、各種試験のインフラや環境整備、組織基盤の強化などを進め、開発・証明活動を加速していくとのことだ。
同社は、2024年8月のシリーズC追加調達以来、「空飛ぶクルマ」の機体開発および型式証明活動を着実に前進させてきた。今回のプレシリーズDラウンドでは、スズキや三菱UFJ銀行をはじめ伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、大林組、関西電力などの既存株主からも厚い支持があったのだという。
大阪市高速電気軌道株式会社(Osaka Metro)、近鉄グループホールディングス株式会社に続き、この資金調達ラウンドにてJR東日本とJR九州が加わり、合計4社の鉄道会社との資本業務提携契約締結となった。各社の持つ既存の交通ネットワークに次世代モビリティである同社の「空飛ぶクルマ」を加えることで、陸と空をシームレスにつなぐ新たな移動価値の提供を目指していく。
Top Image : © 株式会社 SkyDrive