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2022.01.07

知財ニュース

トーマネが和紙製マネキン「Waltz」を開発―無形文化財「西ノ内和紙」を素材として採用、従来比80%減の軽量化

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株式会社トーマネは、茨城県常陸大宮市にある無形文化財「西ノ内和紙」を素材として採用した和紙マネキン「Waltz」を開発した。FRPを素材とした同社マネキンと比較して約80%減の軽量化を実現しているという。

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今回の開発はトーマネの工場のある茨城県への地域貢献を視野に入れ、茨城県常陸大宮市にある、国や県の無形文化財「西ノ内和紙」を素材として研究・採用し、開発に至った。

和紙マネキン「Waltz」の開発には、強度が強く、毛足の長い楮100%を原料とする「西ノ内和紙」を使うことで、まったく新しい和紙マネキンを開発することに成功した。 また「西ノ内和紙」を素材として使うことで、「西ノ内和紙」の需要を生み出し、その認知を拡大することで、無形文化財を後世に残すためのきっかけや、地域貢献ができたらと考え、開発に取り組んだ。

「Waltz」は製造の過程で有機溶剤を使用しておらず、和紙の他ナチュラルなものを基本材料としているため、製造過程で中毒性やシックハウス症候群などの疾病を引き起こす弊害を取り除き、作業者の安全な労働環境を実現する。また、「Waltz」は再び和紙に戻すことができるため、従来のFRP(強化プラスチック)を素材としたマネキンの廃棄方法とは違い、可燃物として廃棄をすることができる。今後の展開として、「Waltz」の強度や防湿など研究を進め製品の品質の向上を目指し、またトーマネはこの和紙マネキンの造形技術において特許出願をしている。

トーマネの技術と型によって様々な形の造形制作が可能なため、同社は「マネキン人形」に限らず、様々な形の製品を開発していきたいと考えており、将来的には、「Waltz」の普及を目指すことで、無形文化財である「西ノ内和紙」の雇用・文化の継承を支援していく。

■製品の特長
①ナチュラルな素材
茨城県常陸大宮市にある無形文化財「西ノ内和紙」(那須楮100%)を素材として開発。
②従来製品との違い
和紙を素材とすることにより、重量を(当社比)80%減の軽量化に成功した。
③労働環境への配慮
軽量化により、輸送コスト・組み立てに関する重労働・労働時間の削減にも貢献し、製造の過程で有機溶剤を使用せず、研磨の必要性もないため粉塵の発生もない。
④リサイクル
成形した「Waltz」は、再び和紙に戻すことができる。
⑤地域貢献
「Waltz」は「西ノ内和紙」の需要を生み出し、認知を拡大することで、無形文化財を後世に残すためのきっかけや、地域を盛り上げることを視野に入れている。

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公式サイトはこちら

Top Image : © 株式会社 トーマネ

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