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2022.09.12

知財ニュース

世界初、東京大学がコンクリートがれきを100%リサイクルしたコンクリートを開発

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東京大学生産技術研究所の酒井雄也准教授と、同大学大学院工学系研究科修士課程2年(研究当時)のイブラヒム・モスタジィット氏は、コンクリートがれきを100%リサイクルした硬化体(リサイクルコンクリート)を製造する技術を開発した。

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従来、コンクリートの製造はセメントの製造過程で多くのCO2を排出するため、全世界のCO2排出量の8%のCO2を排出するとされ、また原料である砂や砂利が世界的に不足しているなど、さまざまな問題があった。また、毎年全世界で約3,500万トン発生するコンクリートがれきの処理も問題となっており、コンクリート再生技術の開発が進められてきた。

現在、コンクリートがれきの再利用率は99%と非常に高い。しかし、取り出した砂や砂利の表面のセメント除去に多大なエネルギーと手間を要するため、新しいコンクリートにリサイクルされるのは全体の1割ほどで、残りの9割は、路盤材料として舗装の埋め立てなどに用いられるに留まる。加えて、近年の建築需要の低迷により、コンクリートがれきを道路建設に用いたり埋め立て処理に用いて吸収し続けることは困難とみられている。

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こういった背景を踏まえ、研究チームは、コンクリートがれきを粉砕して得られる粉を圧縮成形し、硬化体に成形する技術を開発。今回の研究では、硬化体に180℃の高圧水蒸気による処理を行うことで、圧縮強度が約5倍に増進し、一般的なコンクリートの約2倍の強度が得られることを確認した。

本手法を用いることで、大量のコンクリートがれきのリサイクルが可能となる。さらに、生産の際に大量のCO2が発生するセメントを使用しないため、温室効果ガスの排出抑制にも貢献できる。また、新たな材料を投入しないため、原料採取に伴う森林伐採や河床、海底掘削などの環境負荷の低減にも貢献できる。

さらに、実験の結果、本手法は、一般的な砂・砂利を用いたコンクリートのみならず、製鉄の副産物である鉄鋼スラグを用いたコンクリートでも効果的であることが明らかになった。研究チームは今後、リサイクルコンクリートの大型化や、鉄筋などによる補強効果の検証、長期の耐久性評価などを行う予定としている。

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東京大学生産技術研究所 酒井雄也研究室 公式サイト

Top Image : © 東京大学 生産技術研究所

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