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2023.12.08
知財ニュース
世界初、京都大学がカタツムリが“走って逃げる“ことを発見―天敵からの攻撃で移動速度が約1.2倍に上昇
動きが遅い印象があるカタツムリだが、京都大学は2023年11月21日、カタツムリの一種「エゾマイマイ」が走って逃げることを発見したと発表した。
「エゾマイマイ」は北海道を中心に生息するカタツムリで、オサムシなどの天敵に襲われた際、殻を振り回して撃退することで知られる。
研究チームは、天敵に遭遇すると殻に引きこもる「ヒメマイマイ」と「エゾマイマイ」の比較実験を実施。天敵からの攻撃を模した外部刺激を与えたところ、「エゾマイマイ」の移動速度が1.2~1.3倍ほど上昇したという。
ただ、「エゾマイマイ」の通常時の平均速度は秒速1.05mmで、刺激を与えた際の平均速度が秒速1.27~1.35mm程度のため、実際に捕食者に襲われた際にどの程度の効果を発揮するかは不明とのこと。
また、本研究では、「エゾマイマイ」が昼夜問わず活発に活動する「周日行性」を持つことも判明。「ヒメマイマイ」をはじめとするカタツムリは一般的に夜行性であることが知られており、明確な日周性を示さない「エゾマイマイ」のようなカタツムリは世界的にも類を見ないという。
なお、同大学によると、カタツムリが逃走する報告は世界で初めてとのこと。本研究の成果は、国際学術雑誌「Behaviour」で10月31日付でオンライン掲載されている。
Top Image : © 京都 大学