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2024.09.03

知財ニュース

DNA情報で品種の不正防止へ、林ぶどう研究所がブロックチェーン実証を開始

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岡山県岡山市でぶどうの品種改良や栽培を行う株式会社林ぶどう研究所は、今期収穫されたオリジナル品種の「マスカットジパング」のDNA情報とブロックチェーンを活用した、育種の収益還元システム構築に向けた実証実験第一弾をスタートした。品種改良、栽培から消費者に届くまでの取引全体の透明化にチャレンジする。

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同実証実験は、株式会社シティーデジタルの全面的な技術協力のもと、品種改良から消費者に届くまでの全工程を透明化し、安全・安心な果樹の提供と、違法栽培やブランド毀損の防止を目指すもの。

具体的には、「マスカットジパング」のDNA情報や栽培者情報などをブロックチェーンに記録し、情報を埋め込んだRFIDを商品に付与。消費者はRFIDを読み取ることで、購入するぶどうの品種や生産履歴を簡単に確認できる仕組みだ。

日本の果樹産業では、長年にわたり品種の盗難や不正栽培が大きな課題となっており、その被害額は年間1000億円にものぼる。また、10年以上の歳月が掛かるとも言われる品種開発に対する収益還元が十分に図れない現状も、深刻な問題とされている。

業界の課題を解決すべく、両社はテクノロジーを駆使した解決策を模索。今回の実証実験は、その第一歩となる。

取り組みは、消費者が安心して国産ぶどうを楽しめる環境を作るだけでなく、違法栽培の抑止やブランド価値の向上にもつながると期待されている。

両社は今後、日本発のオリジナル品種を保護し、適正な収益還元を実現するシステム構築を目指す。将来的には取り組みを国内外の果樹産業全体に広げ、持続可能な農業の実現に貢献したい考え。

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Top Image : © 株式会社 シティーデジタル

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