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2021.07.13

お知らせ

知財図鑑とフジワラテクノアートが「醸造の未来イメージ」を公開─心豊かな循環型社会への貢献を目指し、新たな価値創出を推進

zyozo

知財図鑑と株式会社フジワラテクノアート(以下、フジワラテクノアート)は、フジワラテクノアートが保有する知的財産を用いた「2050年における醸造の未来」をイメージしたビジュアルを公開しました。両社はこの取り組みを通じて、パートナー企業とのマッチングや共創を促進し、新たな価値創出を目指します。醸造機械のトップメーカーであるフジワラテクノアートと新規事業の創出を目指す知財クリエイティブ・メディア「知財図鑑」は、今回の情報発信を行うことで、醸造で培った「麹づくり」の技術を活かした新規事業・サービスの共創を目指していきます。

公開された「知財」と「妄想プロジェクト」の概要

今回公開された知財は「次世代醸造プラントシステム」「瞬時減圧による粉体殺菌技術」「固体培養の産業化技術」の3件。フジワラテクノアートがこれまで培ってきた「微生物を安定的に大量培養する技術」を中心とする先端技術をわかりやすく紹介しています。

あわせて記事中の「妄想プロジェクト」では、各知財を活用した「2050年の醸造の未来」をイメージしたビジュアルを発表。フジワラテクノアートの知財を活用して起こりうる、未来の日常生活のワンシーンをわかりやすいイラストで描きました。知財図鑑のクリエイターとともに妄想することで、様々な切り口から知財の活用アイディアを描いていますが、ここに描かれたものはあくまで“妄想"であり、様々なパートナーとの共創の入り口を膨らませ、新たな価値創出の可能性を高める狙いがあります。各知財の内容と、それを活用した未来の「妄想」は具体的には次の通りです。

▼次世代醸造プラントシステム
心豊かな食文化を支え、これから強く求められてくる持続可能な循環型社会の一翼を担うことができる、フジワラテクノアートが目指す次世代型の醸造生産システムである。システム同士がコミュニケーションしつつ、最新研究知見を自ら入手しアップデートすることで、常に最適生産を実現する、人にも環境にも優しい完全自動化した醸造プラントシステム。
【妄想プロジェクト:システムが自ら考え、システム同士が自発的に協働する「知能化した醸造プラント」】

moso

▼瞬時減圧による粉体殺菌技術
粉体の物性を損なわずに粉体原料を殺菌できる技術である。従来主流の加熱殺菌では、熱により原料の品質が変わりやすいという弱点があったが、瞬時減圧による粉体殺菌技術は、0.2秒という短時間で物理的に菌の組織を壊し殺菌を行うため、品質低下を最少化することが出来る。
【妄想プロジェクト:高品質の粉体殺菌が創造する「未来の、宇宙での食生活」】

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▼固体培養の産業化技術
微生物の潜在能力を選択的に引き出して目的の有価物(酵素や有機酸など)を安定的に大量生産する技術。醤油・味噌・清酒・焼酎など日本の伝統的醸造の品質や生産性を決める重要なプロセスである製麹(せいぎく、麹づくり)は、米・麦・大豆など固体状の穀物原料に麹菌という微生物を直接生やす、日本独自の固体培養の技術である。
【妄想プロジェクト:あらゆる食品素材が価値を持つ「微生物によるモノづくり基盤技術」】

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本取り組みにおける背景

フジワラテクノアートは、中長期的な成長方向を描いた「開発ビジョン2050」(「醸造を原点に、世界で『微生物インダストリー』を共創する企業」)を2017年に策定。「微生物インダストリー」とは、微生物の潜在能力を引き出して高度に応用利用する産業分野を示します。フジワラテクノアートの固体培養技術は、麹菌などの有用微生物を大量培養することにより、酵素など有価物を省エネルギーで効率よく生産する技術です。このような微生物の持つ潜在能力を高度に応用する技術を、様々な産業分野に展開していきたいと考えています。
主力である醸造の他にも、食糧、飼料、エネルギー、バイオ素材などの産業分野が考えられ、世界が直面する数多くの課題克服に貢献できればと考えています。今後は産学官の連携を強め、「共に思い、共に創る」という共創により、微生物インダストリーを世界中で展開していきます。今回の知財図鑑への情報公開も、その「開発ビジョン2050」の達成に向けた1つのアクションとして、より積極的な外部連携で社会に貢献するイノベーションの創出を目指します。

藤原加奈氏(フジワラテクノアート取締役副社長)のコメント

当社は1933年に創業し、今年で88年目を迎えます。数年前から「開発ビジョン2050」を掲げて、食品業界以外での接点を増やすことも意識して活動してきましたが、業界関連の展示会などだけでは、新しいお客様との出会いが生まれにくい現状がありました。また、社内においてもビジョンの浸透が大事だと考え、これまで何度かワークショップを行うなど、社員にも大胆に未来を思い描いてほしいという思いがありました。今回、当社の技術で実現「するかもしれない」未来をイラストとして可視化することで、ビジョンのイメージがより具体的になり、社員と何度も議論し創り上げていったことでディテールまで共有できる機会となりました。今回の取り組みを通じて、私たちが思い描く「未来」に共感していただける企業様やパートナーとの出会いを期待しています。例えば、醸造の技術を知らなかったような領域のお客様と出会うことで、新しいイノベーションを起こす機会が生まれ、これまでと違う形で世の中に貢献できるといいなと思っています。それによって「醸造」という伝統が革新に変わり、誇りに思えるような活動につなげていきたいと思っています。当社の技術が、新たな価値創出を行うことで、循環型社会に貢献していきたいと思います。

フジワラテクノアートの公式HPはこちら

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