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2024.11.25
知財ニュース
大阪・関西万博「BLUE OCEAN DOME」廃棄物ゼロ建築を発表
特定非営利活動法人ゼリ・ジャパンが、2025年に開催される大阪・関西万博への出展パビリオン「BLUE OCEAN DOME」の概要を発表した。このパビリオンは「海の蘇生」をテーマに、海洋資源の持続的活用や海洋プラスチック問題への意識を高めることを目的とする。
展示コンセプト:「水の惑星」のリアリティ
ドームA:循環
・水の不思議さを表現する装置に触れ、心身を清める禊の空間
・「超撥水のメカニズム」を用いた、巨大・緻密・精巧なスペクタクルによる導入演出
ドームB:海洋
・生命の源である海洋の豊かさや危機を巡る球体オペラ
・ 「高精細な球体LED」の圧倒的な映像スケールによって観客の意識変容を喚起する
ドームC:叡智
・人類が直面している課題と、人類の叡智が交差する場
・ビジネスイノベーションの先端に触れ、そのムーブメントへの参加を促す
パビリオン建築の特徴
①カーボンファイバーによる建築構造
飛行機や車のボディなどで利用されているカーボンファイバー(CFRP)を建築の主構造として採用します。CFRP は鉄と同程度の強度を持ちますが、その比重は1/5ほどです。CFRP のグリッドシェル構造により軽量かつ大規模な空間を実現、建築の重量を抑えることで杭を打設しないで施工することができます。
②廃棄物を徹底的に削減した仮設建築の実現会期を限定した仮設建築が求められる万博において、コンクリートなどリサイクルできない材料は利用せず、基礎に仮設用の鉄骨を採用するなど、産業廃棄物の発生を徹底的に削減します。解体が容易な施工方法とすることで万博終了後には、本パビリオンそのものを移築・再利用ができるように設計します。
建築には紙、竹、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)といった再利用可能な素材を使用し、解体・移設が可能な設計を採用することで、廃棄物を徹底的に削減している。内部は3つのドームに分かれており、それぞれ「循環」「海洋」「叡智」をテーマとした展示を展開する。「超撥水のメカニズム」を活用した禊の空間や、高精細な球体LEDを使用した映像体験を通じて、来場者に海の豊かさと課題について体感的に伝える構造となっている。
また、ドームCではさまざまな企業や団体が交流し、海洋問題解決のためのビジネスやプロジェクトを構築する場として活用される予定だ。ゼリ・ジャパンは、このパビリオンを通じて日本国内外の環境意識を高め、企業や市民への具体的な行動促進を目指している。
ゼリ・ジャパンの「ブルーオーシャンプログラム」に基づき、このパビリオンは持続可能な海洋利用と環境保護の実現を目指して設計されている。これにより、大阪・関西万博が海洋保全の重要性を共有する国際的な場となることが期待されている。
■大阪・関西万博について
大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、人類共通の課題解決(SDGsの達成)と、日本の国家戦略である「Society5.0の実現」に向けた国家プロジェクトとして開催されます。
名 称:2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)EXPO 2025 OSAKA, KANSAI, JAPAN開催期間:2025年4月13日から2025年10月13日まで
開催地:夢洲(大阪府大阪市)
テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)
サブテーマ:Saving Lives(いのちを救う)、Empowering Lives(いのちに力を与える)、Connecting Lives(いのちをつなぐ)
想定入場者数:約2,820万人
Top Image : © 特定非営利活動法人 ゼリ・ジャパン