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2021.04.02
知財ニュース
色鮮やかな花や蝶が髪を飾る、高解像度写真を用いた「ヘア・プリント」技術 ——スペインのスタイリストが開発
ブロンドヘアに咲き誇るバロック調の花々、枝の上で静かに羽を休めるハチドリ、そして優雅に舞う蝶。髪の上に表現されたこれらのモチーフは手染めやステンシルで塗られたものではなく、髪の毛に高解像度の写真を直接プリントしたものだ。
まるで絵画のようなこちらの作品を作り上げたのは、スペインで活動するスタイリスト・AlexisFerrer(アレクシス・フェラー)。2020年秋のコレクションでは、その才能と卓越した業績でスパニッシュ・ヘアドレッサー・オブ・ザ・イヤーに輝き、多くの反響を呼んだ。
アレクシス・フェラーは、2012年に開催された世界最大級のヘアデザインコンテスト「WELLA TRENDVISON award」への参加をきっかけに、新しい表現方法として髪を印刷用の帆布として利用する研究を開始。試行錯誤を重ね、髪の毛に高解像度の写真を直接プリントするオリジナリティ溢れる技法を実現した。
発表されたこれらのデザインは、18世紀のフランス宮殿の庭園からインスピレーションを得ているそうだ。人の髪をキャンバスとした幻想的な花や生き物は、人肌を媒介とするタトゥーとはまた違った趣と生命感を宿した表現となっている。
身体をテクノロジーにより拡張することで、その限界を超越しようとする「トランスヒューマニズム」が進化する傍らで、アートや表現の媒体として身体が使われる未来も広がっていくのかもしれない。